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ありがとうReadyFor、頑張って小林春彦さん

 若き畏友、小林春彦さんがクラウドファンディングを始めると聞いて、これはもう応援するしかないだろうと思いつつも、なんかこう、すでに暖かいコメントが多数寄せられていて充分お金が集まり始めているのを見て「あ、これは私の冷たい手でカネを入れると壊れる世界なんじゃないか」と思ったんですよ。

 私は「見えない障害」ほどではないけれども、見えない持病や見えない特徴を抱えた人間でもあります。その意味で、乙武洋匡さんが突然最新の足を生やして歩き始めたときは、些少ながら支援したとき本来なら「駄目でもともと」と思っていれるべきカネが「いや、あの乙武さんが大地に立つなら」という思いに、そして「これで立てなかったらもう立てないんじゃないか」という恐怖に変わるんですよ。部外者が、勝手に期待しておカネをクラウドファンディングに突っ込んだだけで、単純に「頑張って」以上の何かもないわけですけど。乙武さんが走ろうが飛ぼうが私の人生には直接の影響はないですからね。

 でも、ふと思うわけです。自分に関係がないから支援しないってのは、自分がこの世にいないも同然なんじゃないだろうかと。それは、自分が生きて暮らしていくだけならば、不動産があって株式があって、それが転がっている限り何も心配なく家族で楽しくやっていけるとしても、社会とコミットすることがなければ生きている意味はどこにあるのだろうか、そう思うのです。

 つまり、乙武さんがキャタピラをつけて走ったり、『笑ってはいけない』でR2D2になってたりするのを見て、今度は義足をつけて歩くことに取り組むと聞いて、無関係なのにおカネを出そうとする、それこそ、乙武さんのチャレンジを通じて世の中に私がコミットすることにカネを出している動きに他ならない。世の中にコミットをする、自分が社会で役に立つ存在であろうとするのは、もちろん自己満足の世界ではあるけれども「自分の作用のお陰でこれこれの意味を持つ人がチャレンジできました」という話だけでまずは充分なわけですよ。

 翻って、小林春彦さんの取り組みというのは、遠巻きで彼を見続けてきた私からしても「弛まず歩く」ことの大事さを体現していると思います。

 その彼のテーマは、昔もいまも、彼の身の上で起きたことであり「障害」であります。考えようによっては、遅かれ早かれ、いずれ来る「何か」。

 あまり足が動かなくなった親父が、車椅子から立とうとしなくなる。すごく、分かる。しぼんでいく人間が、自分の足で立ち上がり、何かをするメリットよりも、うっかり立ち上がって転ぶリスクや、立ち上がるときに膝腰が痛むコストのほうが大きければ、人間は立ち上がることすら放棄します。

 でも、まだ若き障害者である小林春彦さんは、いまだ旺盛な好奇心と、どうにか前を向いて生きていこうという挑戦する力がある。凄いなあと思うわけですよ。私も昔はこんなにピュアに生きていこうとしていたのかな。

 なので、私はこの「小林春彦という若者のチャレンジ」に支援することを通して、世の中に関わってみたいと思いました。講演でも宴会でもいいから、小林春彦さんには日本全国回って欲しいと思う。彼の感じていることや挑戦したいことを存分、そこにきている人たちに話をしてきてほしいのです。

 そして、そういう小林春彦さんがチャレンジをしたいと考えたとき、今回クラウドファンディングの場となったReadyForがまた、良い支援の枠組みを提供していました。他にもいろいろクラウドファンディングサービスがありますが、今回の小林さんの募集をきっかけに他のいろいろなプロジェクトが懸命に取り組みたいチャレンジの内容をアピールする内容を見て、また、ReadyForがかなり明確にSDGsや社会貢献のプロジェクトを愚直に丁寧に後押しし推進しようとしているのが良く分かり、限りない好感を抱きました。

 単に友人である小林春彦さんを応援したいという考えではなく、広くReadyForで募集をかけているプロジェクトを見て自分なりに何で役に立とうとしているのか、社会がより良くなることにコミットできるのかを模索できるようになりました。正直、クラウドファンディングサイトの募集ページをいろいろ見ながら、手掛けている人の考えや状況やその理想に思いを馳せることなどなかったんです。

 即物的に言えば「こんなガジェット本当に実現できるのかね、でもまあバッカーになって見るか」と興味本位で何百ドルかぶっ込んでモノが送られてくるのを待ち、出来が悪い”製品”を見てこんなクソ送ってきやがってガハハとKickstarterを物色していたのが私です。でも、ReadyForとかガチで「夜間中学校やってみたいので支援を」とか「高校生が循環型農業に挑戦」などとやっとるわけですよ。こっちも正座するじゃないですか。

 で、見て欲しいのがReadyForの「成功者インタビュー」です。公式サイトをずーーっと下までスクロールしていった下のほう、なぜか専用ページもなくベタッと貼ってあるだけのコーナーなんですけど、これがまたReadyForの世界観が表れていて実に面白い。

 「いや、お前らも商売なんだからコーナーの専用URLぐらい作れよ」と思うんですけどね。無いものは仕方がない。興味を持った人は読んでね。

 そういう頑張って欲しい人の中で、小林春彦さんが果敢に飛び込み、挑戦に対する支援を集めているのは、友人として、誇りです。もうちょっとカネを出すから、津々浦々足を向けて、変わったものを見て、美味いものでも喰って、いろんな人たちと語らって、頑張って楽しんで帰ってきてほしいです。

 見えない障害の、当事者として、語れることはどんどん訴えてきていただければと思います。

 何より、うまい具合に良い人生の伴侶でも見つけて帰ってきてくれればいいんですけど、小林春彦さんに誰かいい人いませんかって赤坂見附のルノアールで女子高生が言ってました。

 どうかよろしくお願い申し上げます。

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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント