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DAY27 誰かに言われた大切な言葉

「勝つ気がないなら、戦わないよ」

これは中学生の頃、部活の顧問に言われた言葉。

バスケットボール部に所属していた私は、
次の大会の初戦で、地域ぶっちぎりで最強な学校とあたることになっているトーナメント表を見て笑っていた。
もう笑うしかないのよ。
新人戦。初めての公式戦。
レギュラーに選ばれて「やってやるぞ!」となっていたガールの気持ちは、簡単にくじけていた。

「だって、強いもん」
「あのチーム、みんなミニバスやってたし経験が違うもん」
「勝てるわけないし」
「何点差で負けるんだろう」
「試合はしたいけど、面倒くさいな~」

これは私の心の声で、でもみんなもそう思っていた。
「勝てるわけない」

「お、やる気だな!」
部活のあと、一人でシュート練習していた私をみつけ、顧問が足を止めた。
「いや、ノルマっていうか、習慣っていうか」
「なんだ、初戦に向けて頑張ってるんじゃないのか?」
なんだよ、とばかりに足元に転がったボールを私に投げ返した。
「いやだって、勝てるわけないじゃないですか」
「そう?」
「そうですよ! あのチームだよ?(笑)」
「勝とうよ」
私は顧問の言葉にシュートを打つ手を止め、振り向いた。
「めちゃウケる。勝てるなんて思ってないでしょ!」
へらへら笑う中学二年生はおどろいた。
顧問の顔はへらへらしていないし、なんならすんっとしているし、
まるで当たり前のことのようにこう言った。
「勝つ気がないなら、戦わないよ」
「…!!」
「おまえ、早く帰れよ。汚いフォームでいくら打ったって、シュートは上手くなんないから。フォームが保てないなら帰って寝ろ」
くるっと背を向け職員室に戻っていく顧問の背中を、ずっと見ていた。
「ああ、そうか。そうなんだ。この人はそういう気持ちでいるんだ」
その姿が見えなくなったころ、ようやく言葉が落ちてきた。
戦うなら、勝つ気で挑まないといけないんだなって。
(やる気ないなら出るなよな!の気持ちもある)
コートに立つ以上、勝とうとしなきゃダメなんだって。
それが正しい立ち姿と言うか、ダサくないことなんだなって。

初戦はとんでもなく大敗した。
でも私は勝ちたかった。勝ちたいという気持ちでコートにいた。
悔しさや反省がたくさんあったけれど、
でも「やらなきゃよかった」はなく、つまりそういうことなんだと腑に落ちました、先生!!

この言葉は未だに私の心にあって、何かに挑むときには思い出すようにしています。
「やるなら勝つ気でいきましょうね」
(大人になって多種多様の「勝ち」があって、勝利条件の設定も可能であることを知った。ゲームはさらに複雑で、そして面白くなったものよ)
あとは、
「汚いフォームでいくら練習してもダメ」ってことね。
(正しいフォームの重要性! これはマジ!!)

いただいたサポートは、現在ですとシルバニアの赤ちゃんかマウントレーニアのクリーミーラテになり、私がそうとう幸せになります♥