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お前も夢にならないか?

 ならないか? っていうか、「あなた」は既に夢です。何故なら、「あなた」という主体が、観測者がいるという事象が、もうなのです。

 「夢夢」言ってるけど何なの? とお思いでしょう。私が、ここで言う「夢」とは、「夢創作」のことです。夢小説とか夢絵とか夢漫画とか夢ゲームとか夢MMDとか、色々ございます。

 夢と言えば、夢女子ってやつでしょ? 二次元のキャラクターや芸能人にガチ恋してるやつ。

 うんうん。それもまたユメカツだね。でも、それは夢の一部であって、全てではないんだなぁ。作者=夢主人公(以降、夢主と表記)とは限らないし。自己投影(人によって意味が変わるため、あまり使いたくないのですが)するもしないも自由です。

 夢とは、男キャラクター×自分(女)だと思っている人が多いようですが、誤認です。コミケってBL同人誌が売られてるやつでしょ? みたいなものです。それ以外もあるから! って言いたくなるでしょう?

 あるのですよ、もっと色々。例えば、男主夢。男主人公(夢主)×男キャラクター。あるいは、男キャラクター×男主人公。BLDとも言います。

 もちろん、男主人公×女キャラクターの夢も存在します。女キャラクター×男主人公もあることでしょう。

 例えば、百合夢。女主人公×女キャラクター。あるいは、女キャラクター×女主人公。

 例えば、人外夢。化け物でも、動物でも、無機物でも、夢主になることがあります。

 それに、夢は恋愛だけというわけではございません。キャラと友情を築く、友情夢。キャラと家族になる、家族夢。キャラと恋愛抜きで親密になる、親愛夢。キャラに嫌われる、嫌われ夢。キャラとは関わらないけれど、その世界で生きる、世界観夢。などなど、枚挙に暇がございません。

 また、前述の通り「夢」と「BL」は、矛盾なく両立することが出来ます。その証左が、私の愛する夢創作形態のひとつである、CP(カップリング)観測夢だと思います。

 A×Bを観測する「私」という存在。ふたりを見つめるだけの「私」。これも夢足り得ます。

 私は、一次創作BLも二次創作BLも嗜む身。彼らを見つめる壁になりたい。つまり、それって、壁夢主なのですよ。

 以上の意見は、壁としてすら存在したくないという考えを否定するものではありません。

 ですが、人間は、二次創作、いえ、創作物から、完全に自己を消すことなど出来ない。というのが、私の考えです。創作者の人生で積み上げてきた常識・偏見・間違い・知識・願望などから切り離すのは、無理だと思います。

 壁にすらなりたくない。大いに結構。では、空気になら? 「あなた」という視点になら? どうお考えでしょうか?

 私は、推しCPの当て馬女になってみたいし、推しCPの攻めないし受けに恋愛相談される親友の男になってみたいし、推しCPを草葉の陰から見守る霊になってみたいし、同棲してる推しCPのペットにもなってみたいです。

 夢創作において、「私」は何にでもなれる。どこへでもいける。何でも出来る。

 素晴らしい、可能性の世界ではありませんか?

 さて、冒頭の「あなたは既に夢です」に立ち返ります。

 あなたという観測者が存在している。これは、とても夢的だと、私は考えます。夢というものは、実在人物・キャラクター・物語・事象などを眼差す「私」が存在することで成立するからです。

 おいおい、それじゃあ、森羅万象が夢になってしまうじゃないか。そうお考えになったかもしれません。私は、「それもあり」だと思います。これがスタンドバトルだったのなら、私は最大限、「夢」を拡大解釈して、能力を行使し、勝負に挑むことでしょう。

 だから、「私」が名前変換機能を使って夢小説を読むという体験。テーマパークへ行くという体験。脱出ゲームをするという体験。プレイヤーキャラに名前を付ける、あるいは、キャラメイクをしてゲームをするという体験。映画を観ている際、登場人物に、第四の壁を越えて話しかけられるという体験。これらも、全て夢的です。

 だから、「あなた」は夢なのです。

 「あなた」とは、「あなた」です。私が語りかけている、この文章を読んでいる「あなた」のことです。

 要するに、この文章って一次創作夢(より正確に言うなら、ネームレス一次創作夢文章)なのですよね。そして、読み手である「あなた」は、夢主です。ようこそ、私の夢創作へ。

 これは、私と「あなた」の夢です。他の誰でもない、「あなた」に語りかけています。

 私が、夢創作を愛しているということを、知っていただきたくて、こうして文章を綴っております。「あなた」に読んでいただきたくて、言葉を紡いでおります。

 推しの恋人として生活するのも夢。自分のアバターとして夢主を作り、原作世界に投入するのも夢。理想の主人公を作り、推しに関わるのも夢。推しCPを眺める壁になるのも夢。みーんな夢。

 もちろん、私は「モブ創作」をやってんだよ! とか、私は「オリジナル主人公創作」をやってるんだが! という意見もあることでしょう。ただ、私は「夢創作」というラベルを貼ることも出来ますよ、と言いたいだけです。絶対に夢と名乗れよとは、言っていません。また、これは、こうだから夢! という定義付けをしたいわけでもありません。「夢創作」が内包し得るものの一部を紹介しているに過ぎません。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。「あなた」に最大限の感謝を。では、よき創作ライフをお送りください。



 はい、ここからは、おまけというかあとがきです。人類は、おまけが大好きだし、オタクは、あとがきが大好き。クソデカ主語失礼しました。私は、おまけあとがきも大好きなので、書きます。

 実は私は、アイドルマスターのオタクです。最早、言うまでもないことかもしれませんが、P(プロデューサー)も夢主足り得ます。

 私は、アイドルマスターシャイニーカラーズでは、アンティーカの田中摩美々さん担当Pです。  

 THE IDOLM@STER SHINY COLORS FR@GMENT WING 03に収録されている、アンティーカの、「ラビリンス・レジスタンス」という曲を聴きながら、この文章を書いています。

何度だって声をあげながら 行くんだ ラビリンス・レジスタンス 刺さった心臓つらぬく矢を 自分で抜きながら

 という歌詞に勇気をもらい、こうして記事をしたためました。

 過日、夢創作差別主義者によるヘイト文章を目にすることがありました。そこには、夢創作への誤解や偏見が、多分に含まれていたのです。それがまあ、かなり人目を引いていたのですよね。私は、悲しかったし、悔しかったです。

 黙っていてはダメだ。そう思いました。黙っていると、サンドバッグにされたり、既に滅んだものとして扱われたりしたことが、実際にあったので。

 だから私は、何度だって、声をあげます。何度だって、刺さった矢を自分で抜きます。

 別に、夢創作を好きになれ、とは言いません。人間、どうしても嫌いなものはあるでしょう。しかし、夢創作を誤解して嫌っているとしたら、それはとても悲しいと思います。

 私は、辛いものが苦手ですが、カレーを食べます。甘口という「選択肢」があるからです。夢創作にも、無数の「選択肢」があります。あの夢は苦手だけど、この夢は食べられるな。ということが起こり得ます。

 好きな夢食って、好きに生きていこうぜ。

 今度こそ、おしまい。お付き合いくださり、ありがとうございました。

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