マイライフ・アズ・ア・ドッグ

「ぼくはライカ犬よりましだ」と呪文のように繰り返す少年イングマル。
私も世間ではもっと大変な思いをしてる人がいる。だから自分なんてマシな方だと思う事は常にあります。
でもイングマルは小さな少年、優しく元気だったお母さんは結核、ヒステリックになり甘えたいのにそれがお母さんを苦しませる。
本当に可哀想な子どもだと思いました。

夏の間、叔父さんのお家に引き取られどんな仕打ちを受けるのかと心配しましたが、明るく仲の良い夫婦で本当に良かったと胸を撫で下ろしました。
小さな村とはいえみんな活気があり、個性的な人々が働く工場。
そして元気いっぱいで自然な演技の子役達、最初は控えめだったイングマルもサッカー、ボクシングで子ども達と打ち解け中性的な女の子、サガとも親密に。

私も小さい頃は男子達としか遊ばず、女性に近づく度に嫌気がしたのを思い出しました。

調べたのですが、このサガちゃん2000人の中から選ばれた子役のようです。

季節が冬になりお母さんが弱る姿を見て泣くのを堪え、クリスマスプレゼントを尋ねるイングマルくん。
もう察しました。これがお母さんと会う最期になると。
今では結核は治るとされますが、50年代だと死因に繋がったようですね。

今度は父方の叔父さんのお家に。グンネル叔父さんとは違い静かな食卓。
お兄ちゃんもすっかり落ち込んでしまい、溜まりに溜まった結果、お母さんは死ぬんだ!と怒鳴り、殴り合いをしてしまいイングマルくんは再び雪景色へと変わったあの小さな村へ。

私は最初からグンネル叔父さんの所に行けば良かったのに!と思った。
久々に再会したサガちゃん、明らかに好意を持ってるなぁと感じました。

学校に通うようになりパーティで部屋に誘う新たなカチューシャの女の子、イングマルくんモテ過ぎでは?
その後サガちゃんとボクシングに移り、犬の様に振る舞うイングマルくん。
真剣に闘いたいサガちゃんはもうあの犬はいないんだと言ってしまいました。お兄ちゃんといえ、なんで幼いイングマルくんを追い詰めるんだろうと本当に可哀想だと感じました。

そして独り閉じこもるイングマルくん、優しい叔父さんでも心を閉ざしてしまう。
本当ならもっと泣いても良いはずなのに、大好きだった愛犬をも失って泣き出してしまうイングマルくん。

私もハムスターとはいえ亡くした時は軽い喪失感を覚えました。小さい頃から育ったであろう愛犬を失う悲しみは私には想像もできません。

一夜が明け叔父さんに連れられ凍った川へ、何故あの屋根修理をしていたおじさんが川に飛び込んだのかは謎です。
止めるな来るなと喚いていたので自殺だと私は思ったのですが、どうなんでしょうか?

その場にいたサガちゃんと目が合い笑う2人。

スプートニク計画ごっこをする大人や子ども達。
あんなに女性らしくなるのを嫌がっていたサガちゃんがワンピースを着ている!
今度は緑髪のマンネとサガちゃん、そしてイングマルくんの三人で発射!これでラストだなぁと感じつつ見ていると、牛さん達がモーモー!ぶつかる!
すんでのところで止めるが墜落。
泥?肥溜に突っ込む三人。それを見て笑う大勢の人達。
よく耐えられたなぁ子役達、と思いました。

固唾をのみながらラジオでボクシングの中継を聴く村人達。そしてイングマルが勝利したと聴き一斉に喜ぶ
人々。

私はイングマルくんがプロになったのかと思いましたが同じ名前の選手でなーんだとちょっと、肩透かししました。

ラストシーンでイングマルくんとサガちゃんが抱き合って眠ってるシーンでいやらしさも感じなく、ちょっとほっこりしました。

エンディングが流れてる間、屋根を修理するおじさんのみを写すという演出にも、この村は何一つ変わらない。でも、それがこの村の良さを表しているのかなと私は感じました。

スウェーデンといえども50年代の田舎はやっぱり雰囲気がいいなぁと思いました。

私は世界的規模で起きる物語より小さな田舎で起きたちょっとした出来事といったお話が好きなのでこの映画は楽しめました。
子役がたくさん出てるとなお楽しめます。グーニーズとか、スタンドバイミーとか。
ほとんど物語をなぞって感想を書きましたが、目は疲れていませんか?
見た直後にこの感想を書いたのでまだ余韻が残っています。
とても長い感想になりましたが、読んでいただきありがとうございます!

#マイライフアズアドッグ