丹所千佳|すべては輝ける色の午后に ~菫色の小部屋の終幕に寄せて
その美しい小部屋は、すみずみまで主の美意識が行き届いていて、たいそう居心地のよい空間でした。置かれているものすべてに、やはり主の、あるいはその作品を手がけた人の、感性と情熱が宿っているように思えました。私がそこを実際に訪う機会は数えるほどでしたが、忘れがたく、うっとりした記憶として大切に残っています。
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菫色の小部屋と名づけられたその場所を思い出すとき、わたしの愛するさまざまな色もまた脳裏をよぎるのでした。たとえば菫色、魔法の宵の空の光、ガラスの島で作られる玻璃のき