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影山多栄子 & 永井健一二人展《空はシトリン》

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オンライン開催|霧とリボン企画|影山多栄子 & 永井健一二人展《空はシトリン〜宮沢賢治『春と修羅』に寄せて》|2022.7.31〜8.4|【展示アーティスト】影山多栄子(人形)/… もっと読む
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#森大那

二人展《空はシトリン》|巻頭エッセイ|森 大那|曲がり角へと歩いてゆくだけ

 宮沢賢治は鈍い。それは彼の武器だった。  これまで宮沢賢治は、その作品群が無数の観点から読解されてきた。のみならず、遺された膨大なテクストは後世の人々の創造の源泉となり、あらゆる芸術ジャンルで派生作品が創られている。  彼に匹敵するほどのフォロワーを生み出せた作家は世界規模でも例がほぼ見当たらず、わずかにアメリカのエドガー・アラン・ポーが思い浮かぶだけだ。  しかしそれは、彼が時代のなかで先進的であろうとしたからではなかった。反対に古くあろうとしたのでもなかった。  宮沢

二人展《空はシトリン》|DAY 4

本記事はオンライン展覧会《空はシトリン》DAY 4最終日の配信記録です。 Text霧とリボン  私たちの「観て読む」夏フェス、影山多栄子&永井健一 二人展は、本日をもって4日間の会期を無事終了致しました。  菫色のステージを鮮やかに過ったシトリン色の新しい風。お楽しみ頂けましたでしょうか。  フロントロウから、あるいは遠くからこっそりと、絵画と人形、エッセイが明滅する舞台をご高覧下さいました皆様に心より深く御礼申し上げます。皆様の静かな熱狂がここMAUVE CABINE