レース模様の図書室、再訪|金田アツ子《2》|Rosa damascena
TextKIRI to RIBBON
図書室の終幕が近づいてきました。
名残惜しい気持ちで書架の間に佇んでいると、少女たちがひとりまたひとりと、閲覧室の方に集まってゆくのが見えました。図書室の少女たちに、贈り物が届いたようです。
また会う日までのはなむけとして、植物を愛するこころやさしき温室の主が届けてくれたもの——
薔薇色の薄紙をそっと開封してみましょう。
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レースを編むように、少女たちとの美しい思い出を花びら一枚一枚に編み込んだ金田アツ