|MAUVE CABINET|モーヴ・キャビネット

|モーヴ街2番地|オンライン・ギャラリー《MAUVE CABINET》は、愛書家のため…

|MAUVE CABINET|モーヴ・キャビネット

|モーヴ街2番地|オンライン・ギャラリー《MAUVE CABINET》は、愛書家のための小間物ブランド「霧とリボン」直営SHOP & ギャラリー《Private Cabinet》の別館(2023年閉廊)としてスタート。文学・アート・モードを横断する展覧会を定期開催しています。

マガジン

  • 最終幕〜菫色の小部屋

    全ての人々が自身の感性に誠実に生きることができるよう、ショップカラーの「菫色/Mauve」に願いを込めて、2015年より文学・アート・モードを横断する展覧会を開催してきた「菫色の小部屋」こと霧とリボン 直営SHOP&ギャラリー「Private Cabinet」は、本展にて吉祥寺での幕を閉じました。 終幕の記念に気鋭の執筆者によるエッセイを配信致します。

  • スウィンギング・ロンドン

    オンライン開催 長澤 均 & 霧とリボン 共同企画展《スウィンギング・ロンドン》|2022.11.20〜11.25|1960年代後半から1970年前半、鮮烈に花開いたロンドンのストリート・ファッションと、そのムーブメントをストリート・カルチャー史として活写した長澤 均氏の著作『BIBA Swingin’ London 1965 - 1974』へ、現代作家がオマージュを捧げます。

  • 少女の聖域vol.3〜魔法大全

    オンライン開催 霧とリボン企画 高柳カヨ子プロデュース《少女の聖域vol.3〜魔法大全》|2022.9.2〜9.9|魔法少女に変身しなくても、少女は既に魔法を内包しています。幾多の困難を乗り越えて定義から逃走 / 闘争し続ける少女という存在は、もはや魔法それ自体と言ってもいいかもしれません。精神科医 / 少女批評家の高柳カヨ子がその扉を開く《少女の聖域》、vol.3のテーマ「魔法大全」に相応しい作品が揃いました。さあ、少女という魔法を発動させましょう。

ストア

  • 商品の画像

    sleep epidemical laboratory|Violet Crystal (Ring/SV925)

    ★販売は先着順 ★転売目的のご購入はお控え下さいますようお願い申し上げます ★【ゆうパック(60サイズ)送料込みのお支払い】となります *決済の際に別途送料が表示されます *送料着払い発送ではございません 【ご注意】 ★他の商品と複数注文の際は、注文を分けずに一度にご注文ください。 別々に注文の場合、送料がその都度加算されてしまいますので、ご注意ください。別々に注文の場合、一括発送ができず、別々の発送となりますこと、ご容赦願います。 ★発送は【ご入金日翌日からカウントして7営業日以内(土日祝休)】に手配 大変恐れ入りますが、順番に対応しているため、具体的な発送日のお問い合わせにはお答えすることができませんので、何卒ご了承願います ★配送のご希望がある場合は備考欄にご記入願います ・曜日 ・時間帯【午前中】【12〜14時】【14〜16時】【16〜18時】【18〜20時】【20〜21時】 ご指定がない場合は【一番早い発送・時間指定なし】でお届け致します お日にちの指定に関しては、ご入金日翌日からカウントして7営業日(土日祝休)以降のみご指定可能です * 霧とリボン企画展《最終幕〜菫色の小部屋》出品作品。 ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ 菫色の小部屋から見つかった、四つの金と銀の指輪。 クリスタルの中に閉じ込められたのは、二色の菫色の箔、金色と亜麻色の髪の毛、そして「霧とリボン」のロゴマーク。 「バイオレット・クリスタル」と呼ばれているようだが、いつ誰が何の為に制作し、身に着けていたのか。 心地好い香りの立ち込めるこの小部屋で、まるで暗号を解くように手がかりを探し、意味を考え、元の持ち主に想いを馳せる。 そしてまた、次の時代の誰かに受け継がれていく。 ジョージアンやヴィクトリアンの時代に流行したセンチメンタルジュエリー、その中でも故人を偲んで制作され身に着けられていたモーニングジュエリー。 その種類も様々ですが、本作は「スチュアート・クリスタル」から着想を得て制作しました。 霧とリボン様の最終幕に相応しい作品をお届けしたく、初めて「ジュエリー」と呼べる装身具を作りました。 ….sleep epidemical laboratory ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ ★作品情報 SV925・クリスタルガラス・人毛・箔 *人毛は人毛ウィッグを使用 作品サイズ| モチーフ部分:約12cm/リングサイズ:フリーサイズ 制作年|2023年 ★4枚目写真は展示風景 ★プロフィール sleep epidemical laboratory|アクセサリー・ジュエリー作家 鉄道車両・機械設計の仕事を経て、2011年より架空の研究所をコンセプトに様々な素材でアクセサリーや雑貨作品を製作。 2023年より彫金でジュエリーの制作を開始。 ★重要なお知らせ ご不在で商品をお受け取りできなかった場合は、必ず【7日間以内に配送業者さんにご連絡の上】お受け取りをお願いします。 ★返品・交換について 作品や商品に不備があった場合は、商品到着後、7日以内にご連絡願います。作品については問題解決後にお届け、商品については良品と交換させて頂きます。但し、代替品をご提供できない場合は、交換ではなく返金対応とさせて頂きます。返送や交換にかかる送料は当方で負担します。 お客様のご都合による返品は受け付けておりませんので、ご不明な点はご注文の前にお問い合わせ願います。 *画像の色味はできる限り現物に近づけておりますが、ご覧頂く環境により見えは変化します。ご了承願います。
    44,000円
    KIRI to RIBBON
  • 商品の画像

    sleep epidemical laboratory|Violet Crystal (Ring/K10)

    ★販売は先着順 ★転売目的のご購入はお控え下さいますようお願い申し上げます ★【ゆうパック(60サイズ)送料込みのお支払い】となります *決済の際に別途送料が表示されます *送料着払い発送ではございません 【ご注意】 ★他の商品と複数注文の際は、注文を分けずに一度にご注文ください。 別々に注文の場合、送料がその都度加算されてしまいますので、ご注意ください。別々に注文の場合、一括発送ができず、別々の発送となりますこと、ご容赦願います。 ★発送は【ご入金日翌日からカウントして7営業日以内(土日祝休)】に手配 大変恐れ入りますが、順番に対応しているため、具体的な発送日のお問い合わせにはお答えすることができませんので、何卒ご了承願います ★配送のご希望がある場合は備考欄にご記入願います ・曜日 ・時間帯【午前中】【12〜14時】【14〜16時】【16〜18時】【18〜20時】【20〜21時】 ご指定がない場合は【一番早い発送・時間指定なし】でお届け致します お日にちの指定に関しては、ご入金日翌日からカウントして7営業日(土日祝休)以降のみご指定可能です * 霧とリボン企画展《最終幕〜菫色の小部屋》出品作品。 ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ 菫色の小部屋から見つかった、四つの金と銀の指輪。 クリスタルの中に閉じ込められたのは、二色の菫色の箔、金色と亜麻色の髪の毛、そして「霧とリボン」のロゴマーク。 「バイオレット・クリスタル」と呼ばれているようだが、いつ誰が何の為に制作し、身に着けていたのか。 心地好い香りの立ち込めるこの小部屋で、まるで暗号を解くように手がかりを探し、意味を考え、元の持ち主に想いを馳せる。 そしてまた、次の時代の誰かに受け継がれていく。 ジョージアンやヴィクトリアンの時代に流行したセンチメンタルジュエリー、その中でも故人を偲んで制作され身に着けられていたモーニングジュエリー。 その種類も様々ですが、本作は「スチュアート・クリスタル」から着想を得て制作しました。 霧とリボン様の最終幕に相応しい作品をお届けしたく、初めて「ジュエリー」と呼べる装身具を作りました。 ….sleep epidemical laboratory ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ ★作品情報 K10・クリスタルガラス・人毛・箔 *人毛は人毛ウィッグを使用 作品サイズ| モチーフ部分:約12cm/リングサイズ:フリーサイズ 制作年|2023年 ★6枚目は展示風景 ★プロフィール sleep epidemical laboratory|アクセサリー・ジュエリー作家 鉄道車両・機械設計の仕事を経て、2011年より架空の研究所をコンセプトに様々な素材でアクセサリーや雑貨作品を製作。 2023年より彫金でジュエリーの制作を開始。 ★重要なお知らせ ご不在で商品をお受け取りできなかった場合は、必ず【7日間以内に配送業者さんにご連絡の上】お受け取りをお願いします。 ★返品・交換について 作品や商品に不備があった場合は、商品到着後、7日以内にご連絡願います。作品については問題解決後にお届け、商品については良品と交換させて頂きます。但し、代替品をご提供できない場合は、交換ではなく返金対応とさせて頂きます。返送や交換にかかる送料は当方で負担します。 お客様のご都合による返品は受け付けておりませんので、ご不明な点はご注文の前にお問い合わせ願います。 *画像の色味はできる限り現物に近づけておりますが、ご覧頂く環境により見えは変化します。ご了承願います。
    85,800円
    KIRI to RIBBON

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固定された記事

追想|#菫色の小部屋_終幕《1》

 「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した…

追想|#菫色の小部屋_終幕《7》

「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉…

追想|#菫色の小部屋_終幕《6》

「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉…

追想|#菫色の小部屋_終幕《5》

「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉…

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ミストレス・ノール|菫色の小部屋の最後のカーテンを閉めて

*  2015年4月から2023年12月まで。吉祥寺の地にて扉をひらいた「菫色の小部屋」こと霧とリボン 直営SHOP&ギャラリー「Private Cabinet」は、本年12月をもって8年の歴史…

ヨネヤマヤヤコ|モーヴ色のとばりの向こう

 菫色の小部屋への招待は手書きのお手紙で始まりました。  雨宮まみさんからのお手紙でした。はじめて行くときは迷うかも、と出不精な私を彼女が連れて行ってくれること…

森 大那|菫色集

 部屋の灯りを点ける時、その瞬間にだけ、見たこともない景色が出現する。  毎日眺め、眼をつぶっても暮らせるほど馴染みがあるのに、その瞬間だけは、子供の頃に一度だ…

丹所千佳|すべては輝ける色の午后に ~菫色の小部屋の終幕に寄せて

 その美しい小部屋は、すみずみまで主の美意識が行き届いていて、たいそう居心地のよい空間でした。置かれているものすべてに、やはり主の、あるいはその作品を手がけた人…

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追想|#菫色の小部屋_終幕《7》

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追想|#菫色の小部屋_終幕《6》

「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉祥寺での最終年(2023年)を、アーティストの皆様、執筆者の皆様、そしてたくさんのお客様に支えて頂き、夢のような時間を過ごしながら、無事終えることができました。改めまして、ご厚意に深く感謝申し上げます。  その際に募集した「#菫色の小部屋_終幕」へご参加下さった皆様のコメントとお写真を、パンデミッ

追想|#菫色の小部屋_終幕《5》

「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉祥寺での最終年(2023年)を、アーティストの皆様、執筆者の皆様、そしてたくさんのお客様に支えて頂き、夢のような時間を過ごしながら、無事終えることができました。改めまして、ご厚意に深く感謝申し上げます。  その際に募集した「#菫色の小部屋_終幕」へご参加下さった皆様のコメントとお写真を、パンデミッ

追想|#菫色の小部屋_終幕《4》

 「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉祥寺での最終年(2023年)を、アーティストの皆様、執筆者の皆様、そしてたくさんのお客様に支えて頂き、夢のような時間を過ごしながら、無事終えることができました。改めまして、ご厚意に深く感謝申し上げます。  その際に募集した「#菫色の小部屋_終幕」へご参加下さった皆様のコメントとお写真を、パンデミ

追想|#菫色の小部屋_終幕《3》

「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。  早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉祥寺での最終年(2023年)を、アーティストの皆様、執筆者の皆様、そしてたくさんのお客様に支えて頂き、夢のような時間を過ごしながら、無事終えることができました。改めまして、ご厚意に深く感謝申し上げます。  その際に募集した「#菫色の小部屋_終幕」へご参加下さった皆様のコメントとお写真を、パンデミッ

追想|#菫色の小部屋_終幕《2》

「菫色の小部屋、終幕——2015 - 2023」のお知らせをポストしたのが2023年3月4日、一年前の今日でした。 早いものであれから一年。  三年間の休業を経て営業再開した吉祥寺での最終年(2023年)を、アーティストの皆様、執筆者の皆様、そしてたくさんのお客様に支えて頂き、夢のような時間を過ごしながら、無事終えることができました。改めまして、ご厚意に深く感謝申し上げます。  その際に募集した「#菫色の小部屋_終幕」へご参加下さった皆様のコメントとお写真を、パンデミック

ミストレス・ノール|菫色の小部屋の最後のカーテンを閉めて

*  2015年4月から2023年12月まで。吉祥寺の地にて扉をひらいた「菫色の小部屋」こと霧とリボン 直営SHOP&ギャラリー「Private Cabinet」は、本年12月をもって8年の歴史に幕を下ろしました。  最後の展覧会となった《最終幕〜菫色の小部屋》展では、総勢65組の多彩なアーティスト作品を展示。会期中は全国から45組以上のアーティストの皆様が駆けつけて下さり、共にお客様をお迎え致しました。  小部屋に溢れたはなむけのブーケや贈り物、お便りには、そこここに菫色

ヨネヤマヤヤコ|モーヴ色のとばりの向こう

 菫色の小部屋への招待は手書きのお手紙で始まりました。  雨宮まみさんからのお手紙でした。はじめて行くときは迷うかも、と出不精な私を彼女が連れて行ってくれることになりました。  モーヴ色のとばりをくぐり抜けるとほのかに清冽なラヴェンダーの香りが漂い圧倒的な美意識に彩られた空間が広がっていました。柔らかな菫色を帯びた灯りのもとで設えのひとつひとつに目を留めては感嘆の声を上げたり、ノール様の解説に耳を傾けては試着してみたり。菫色の小部屋は一見こじんまりとした印象を受けますがゆ

森 大那|菫色集

 部屋の灯りを点ける時、その瞬間にだけ、見たこともない景色が出現する。  毎日眺め、眼をつぶっても暮らせるほど馴染みがあるのに、その瞬間だけは、子供の頃に一度だけ足を踏み入れたような気がする夜の遊園地、夜の砂漠の上をゆく郵便機の出発時刻を待つ飛行士の待合室、いわく付きの古酒たちが秘された城塞の地下室を目撃する。  それはピカソ的分解、ベーコン的歪曲、モネ的融解、セガンティーニ的輪郭、ルドン的陰影、ルソー的温度、デ・キリコ的遠近法であり、その一瞬を、私たちは追い求めているのだ、

丹所千佳|すべては輝ける色の午后に ~菫色の小部屋の終幕に寄せて

 その美しい小部屋は、すみずみまで主の美意識が行き届いていて、たいそう居心地のよい空間でした。置かれているものすべてに、やはり主の、あるいはその作品を手がけた人の、感性と情熱が宿っているように思えました。私がそこを実際に訪う機会は数えるほどでしたが、忘れがたく、うっとりした記憶として大切に残っています。 *  菫色の小部屋と名づけられたその場所を思い出すとき、わたしの愛するさまざまな色もまた脳裏をよぎるのでした。たとえば菫色、魔法の宵の空の光、ガラスの島で作られる玻璃のき

玉田優花子|Hommage au boudoir violet

*  本年9月の松下さちこ様個展《惑星の花びら》に私も一部日程在廊させていただきまして、お目文字が叶いました皆さま、またコラボコフレ『植物書翰集 第一巻 アイリスと菫』をお求めくださいました皆さま、本当にありがとう存じました。サロン風完全予約制ならではの、ゆったりとした心とこころの交流を愉しめましたことに、この場をお借りして、改めて深くお礼申し上げます。SNSやブログ等に丁寧に綴ってくださいましたご感想も、とても嬉しく拝見致しました。身体と精神が健やかであるための、「私だけ

高柳カヨ子|遥か美の名の下に

 美意識というものは一朝一夕に形成されるものではない。    それは注意深く己の心に分け入り、貪欲な好奇心と飽くなき探究心を持って、自らの定める美とは何かを追求し続ける精神なのである。    菫色の小部屋に揺るぎなく確固として満ちていた存在、それが美意識というものなのだ。    霧とリボンと出会うきっかけとなったのは、ネットの海の中の微かな美の光跡を追って辿り着いたある作品であった。    その後長くこのブランドのフラグシップ・モデルとなる「O・SA・GEブローチ」である。

高田怜央|菫色の呼び覚まし -Resurrection(s) in Violet-

* 魔女たちの香り  小さい頃、よく魔女に出会った。髪や衣から古く湿ったいい匂いがするからすぐにわかった。ときに街角の市場で、ときに博物館や図書館で、ときに遊びに行った誰かの家で、魔女たちはまちまちの格好をしながら、ゆったりと時間に溶け込んでいた。  スコットランドでは、どの街にも魔女がいる。北の険しい山間の方の小さな町や村では、箒に乗ってとんがり帽子をかぶった絵姿の看板を吊るしたお店をたまに見かけた。たいてい、薬草や香料の瓶が棚に並べられていて、虹の端から端までの色をそ

鈴木真理子|菫、アリス遺髪。そして《霧とリボン》

 2011年、私が雑誌『ゴシック&ロリータ・バイブル』を仕切っていた頃、編集部に一通の手紙が届きました。中には銀座・ヴァニラ画廊で開催される《菫色の文法 vol.1〜ルネ・ヴィヴィアンの寢台》展のお知らせが入っていました。  よく存じ上げないアーティストさんばかりの出展でしたが、その中に《アリスの遺髪》という作品の写真があって、「これは『バイブル』で紹介しなくては! そしてどんなに忙しくても展示も見に行かなくては」と思いました。いただいた情報は誌面では紹介しないことも多いし

嶋田青磁|ある聖域について

*  わたしが初めて「霧とリボン」の店舗を訪れたのは、もう5年前になるだろうか。美しいものについて語ることすらできない環境、どうしようもない孤独の中、すがるような気持ちで硝子戸をくぐったのを今でも覚えている。  あれから、ウイルスの流行を経て、街中にある「実店舗」の多くが様変わりしてしまった。今まで当たり前のように立ち寄っていた書店、カフェ、服屋が、いつの間にか空きテナントあるいは見知らぬ店に入れ替わっていた。特にフランス語書籍専門の欧明社撤退などは、大ショックであった。