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唇の形がきれいだな。

ライターを近づけたら少し顔をこちらに傾けたので、あなたの顔がみえなくなった。
「点けてくれるの?」と甘い声。微笑んだであろう顔に着火音で応える。

あなたが添える手がわざとなことを知っている。
それでもなお、この時間を失いたくなくて僕は一歩も前に出ない。
ニコニコしながら反芻するあなたの顔を見つめている。

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