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永遠に愛するべき人(運命と戦う男10)

昨日までの15日間、それはそれは苦しみに苦しみ、見ている私は(なんでそこまで私にみせるんだい?)と思いたくなるくらいのビジュアルを命をかけて旦那ちんは見せてくれました。もう、電話もかからないけど私にはやる事がない。

ご飯を作る事も、しゃべる事も怒る事もなくぽっかりと空いた彼の部屋のあの空間が心に突き刺さる。

本当に愛していたのだと感じる。「ずーっと一緒に居よう」とこの前私に言ったじゃない。私が呆けそうだから、「俺はお前を介護して死んでいくっ」て言ったじゃん。駄目じゃん死んだら。。。嘘つき。

微笑む旦那ちんの画像をデスクトップにして、話しかける。嬉しいような悲しさ倍増のような。

運命の戦いを終えた旦那ちんが、霊安室で寝ているのを見て私は発狂した。

「やだよやだよやだよ!!嫌だ!嫌だよ!」倒れそうだし焼香なんてしたくない。

酷い酷すぎる。。。。ここで、爆発させないときっと心残りになるし担当医も辛そうに見ている。私の頑張りについて

「立派でした。」旦那ちんのあの状況を、逐一聞いていて(嫌な予感はもうしていた)亡くなる前の日に分かったのだ。

それを受け入れないと、旦那ちんが可哀想。いや、彼がうけいれたくないだろうな。同じリズムを出しながら眠る旦那ちんに

「もう、いいんだよ。よく頑張った!えらかったね大丈夫だよもう辞めてもいいんだよ。私は大丈夫だから心配しないでね」

そう声をかけ、ふらふらなので売店でおにぎりと彼が好きだった瓶入りの珈琲牛乳を飲む。味は合わないはずなのに美味しい。

私の指に赤い色がちらりと見えたので、よく見ると朝電話で気が動転してどこがで指をすりむいたらしい。

きっと旦那ちんは言うだろうね・・・・

「ほんと、お前はアホだな。あわてるからそうなるんだ!」と。

ICUで、心停止になり担当医が確認をして深く頭を下げた。担当医の無念さが伝わるし、私も無念だし旦那ちんは死んだ事を知らないかもしれない。

眠らされた状態で、遠い星へといきなり旅たったのだから・・・。

霊安室で、さんざん旦那ちんに文句を言ったあとで最後に

「お疲れ様でした!本当にありがとうございました!!」そう大声で言って深く頭を下げた。彼は立派に戦いそして、家族に会う事ができたのだから、きっと天国である程度の点数がもらえるでしょう。

まだ、数日空っぽの肉体を見る事にはなるけれど、もう旅は始まっているので私も、自分の行き先をちらりと見ながらやはり、デンデン虫並みのスピードで真冬を迎えるのね。

私は、漣のような感情の波に飲まれてはないているけれど、ししゃもを焼いて食べたら、ししゃもが美味しかった。

味がするという事は、それなりにいいと思うのだ。



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