蘇る男 (運命と戦う男5)
いつもの坂道を歩きながら、まだ当分ここを歩くんだろうな~と実感しながら病室へ向かう途中、このややこしい病棟へたどり着けない、高齢者をお連れの同じ病棟のご家族が困っているようだった。
可哀想なので、一緒に病棟へガイドをしました。ちょっとあの病棟のややこしさは改善して欲しいです。昨日もご年配者2人を連れて病院を出ました。ご年配の方はあの階段は危ない。
病室へ入ると、昨日とあまり変わらない旦那ちんが見えた。まだ、薬がチューブで流れているので意識がないのか?
看護士さんにあいさつをし、昨日のCTの結果を聞きたい事を伝え旦那ちんのベットへ行くと、濁った目の旦那ちんは私が来たと気がついたのか
目を見開き、そして感極まったのか泣きそうな顔をしている・・・・。
(今すごく辛いだろうな・・・苦しくて、体中も痛くてチューブで繋がれていることや、どうしても動いてしまうので拘束をされている)
可哀想だな・・・。話しかけるとうん、ううんとか首を動かしたり出来るので
どこがどう痛いのか、パーツごとにYES NOシステムとなった。日頃からだたの遊びで、口がきけなくても相手が何を思っているかゲームをよくやっていた事が、ここで役に立っている。
旦那ちんの代弁者だ。
私は、この1週間の話や彼の今の症状などを話し、犬が寂しがっている事も伝えると、また泣きそうになっていた。心配していたんだね。
そして、口が利けない&人工呼吸の苦しさがマックスの地獄のようで本当に辛いだろう・・・。
「この状況は、あくまでも通過点で様子を見ながら、人工呼吸を外すタイミングを見て気管切開オペを行うんだって。だから辛いだろうけど頑張ってね」
あきらめたように、旦那ちんは頷く・・・・。
「寂しかったの?」と聞くと大きく頷き
「私に会えてほっとした?」そこも大きく頷き
「私、キレイでしょ?」と言ったら苦しいのに、ニヤっとしてうんうんと頷く。なんだ、そんなに私を愛してるのか・・・嬉しいな~。
バカ夫婦です。あっという間の2時間が過ぎ旦那ちんに
「明日も来るからね」と伝える・・・私がきっと望みの綱だろう。
あっちが痛いこっちが痛いと伝える事が出来ないのだから。看護士さんにしっかりお願いして、私は何度でも言う。旦那ちんの代弁者として。
帰り道が昨日よりも、もっと嬉しくて嬉しくてお腹が減った。この1週間で2キロ痩せたのであたりまえだけど、お腹が本気で空いた。
帰り道これを買う。すごーく食べたい衝動にかられた。
天丼の味がして、しかも美味しい。。食べられるって嬉しいんだよね。これが今の私の幸福。
例え具合が悪くても、会話、対話が出来るという何でもない事が実はすごく尊いものであり、失くしそうになった時に嫌ってほど分かる。
健康ほどのありがたい事をしっかりとかみ締めながら、2分くらいで天丼完食しました!早食いは病気の素です。気をつけましょう(笑)
すごく、すごーく嬉しいので、明日も張り切って面会へ行こう☆
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