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世界的な大企業を創り支えてきた善の循環という強大なパワー

富山の友人を訪ねる機会を利用して、私が学生の頃から尊敬している経営者の資料館に行ってきました。

場所は富山県黒部市。
YKK株式会社の黒部事業所です。

YKKといえば、言わずと知れたファスナーの会社です。
アルミサッシでも有名ですね。

YKKグループは71カ国に展開、ファスナーでは45%という高い世界シェアを誇っています。

このグローバル企業を作ったのが吉田忠雄氏です。

私は30年以上前に吉田氏の著書に触れ、それ以来のファンです。
吉田氏の考え方はとてもユニークで、当時の私を驚かせました。

例えば、YKKは1959年(昭和34年)にはインドに生産拠点を作るなど、かなり早い段階から次々と海外に進出しましたが、そこには、海外進出の基本は、現地の人によって現地で生産し、現地で販売、何よりも現地が最も利益を得るべきであるという基本的な考え方がありました。
海外に進出するのは安い労働力を確保するためだとしか思っていなかった学生の私は、この考え方に衝撃を受けました。

またYKKは世界的な企業でありながら、未だに株式を上場していません。
そこにも吉田氏の、利益とは知恵を絞り汗を流して働いた者のみに与えられるものだという考え方がありました。部外者が株価の上がった下がったで儲けたり損したりするのはおかしいということなのです。
この考え方も、会社を大きくするためには株式を上場して資金調達するのが当たり前だと思っていた学生の私を驚かせました。

そして、このような吉田氏の考え方の根本となっているのが、「善の循環」です。

創意と工夫によって新しい価値を創造して事業の発展を図ることで、消費者や取引先の繁栄、社会の繁栄につながり、巡り巡って自社の繁栄につながるということなのです。

学生時代に衝撃を受けた「善の循環」という理念。
今回、YKK黒部事業所内のYKKセンターパークを訪れ、善の循環に関する展示などを数多く見ることができました。
吉田忠雄氏のインタビュー映像などもあり、善の循環に改めて触れることができ、大きな學びとなりました。

世界中の人々からご愛顧されているYKKの成功を見ると「善の循環」がいかに強大なパワーをもっているかがわかります。

「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」
心に刻み、私も実践してまいりたいと思います。

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