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【馬券データ分析】芝スタートのダートは外枠有利か

こんにちは。キラリです。

今回は「芝スタートのダートは外枠有利なのか」というテーマで、最新の回収率の傾向をご紹介します。

昔からよく知られているテーマのため、最新のデータチェックは重要かと思います。よければ見ていってください。


結論

芝スタートのダートでは、外枠のほうが有利か不利かでいうと、有利ではあると思います。

しかし、その優位性はすでにオッズに反映されているため、回収率の改善につなげるためには、以下の傾向に着目してトータルの回収率を上げる必要があると考えています。

・芝スタートのダートでは馬番1、2番の回収率が低い(特に1番の回収率が低い)

・大外枠の回収率が高い

・多頭数で内枠になればなるほど回収率が低い


前提

中央競馬では、一部のダートコースでスタート地点が芝になっているコースが存在します。

「芝スタートのダートコース」ではスタート直後に内側からダートコースが入り込んでくるので、外枠の馬のほうが芝を走る距離が長く、一般に「外枠有利」と言われています。

今回はこの問題について、回収率の最新傾向をご紹介します。


芝スタートのダートコース

芝スタートのダートコースは以下の8コースとなります。

東京 ダート1600m
中山 ダート1200m
京都 ダート1400m
阪神 ダート1400m
阪神 ダート2000m
福島 ダート1150m
新潟 ダート1200m
中京 ダート1400m

ほぼ毎日、該当するレースがありますので、注目して見ていただければと思います。


「枠」を使うときの厄介な問題

データ分析を行う前に、「枠」というファクターを考えるときに発生する厄介な問題について説明します😅

それは、「内枠」と「外枠」をどのように定義するか という問題です。

具体的に言いますと、「16頭立レースの8番の馬」は内枠か外枠かでいうと「内枠」になりますが、「8頭立レースの8番の馬」は大外枠になってしまうため、同じ8番でも出走頭数によって扱いを変える必要があります。

この問題を解消するために、いろいろな分析方法があるのですが、今回は私が「逆馬番」と呼んでいる手法を紹介します。


「逆馬番」とは

通常、馬番は内側から数えて1番、2番・・・と振っていきますが、それを逆にして外側から数えて番号を振っていく方法です。

16頭立のレースであれば、馬番16番の馬が「逆馬番で1番」、馬番1番の馬が「逆馬番で16番」となります。

このように逆馬番を振ることで、大外の馬は必ず「逆馬番1番」となり、外枠に近い馬の成績が見えやすくなります。

特に「外枠の優位性」を確認するときに効果的で、なおかつ「大外枠」を区別できる点で優れた手法となっています。

今回は、通常の「馬番」と「逆馬番」の両方の結果をご紹介します。


分析対象データ

今回は、あまり古いデータを入れたくないので、2019年以降の中央競馬で障害レースを除いたレースを対象に分析を行います。(約5年分)

(データ詳細)
期間:2019/1/1~2023/12/10
障害レース:除く
新馬戦:含む
出走取消/競走除外:除く


データ分析1(馬番)

約5年分のデータ確認

上記5年分のデータの内、芝スタートのダートコースに絞って、馬番ごとの単複回収率を集計した結果が下の表になります。

結果を確認しますと、私はこのような傾向を分析する場合は確率収束の早い複勝回収率を重視しているため、馬番1番と2番(特に1番)は極端に低い数字となっていることが目につきます。(赤枠)

やはりダートでは前に行く馬が有利です。そのため、最内の馬は自分より外枠にスタートダッシュのついた馬が1頭でも存在すると、必ず前に入られてしまい、非常に不利であることが上記の結果から分かります。

また、外枠の回収率が高くなっているかというと、私としてはあまり明確な傾向は出ていないと考えています。

その理由としては、緑枠で示している3番と16番の複勝回収率に大きな差がなく、データを俯瞰して見たときに「外枠になるにつれて徐々に回収率が高くなる」ような傾斜が見られないためです。

「6番」「10番」「15番」の回収率が高くなっていますが、これらの馬番の回収率が高くなる理由は特に無いため、脚質などの他の要素によって上振れしただけだと考えています。(青枠)

外枠の回収率が高くない理由としては、「芝スタートのダートで外枠有利」という傾向は昔から知られているため、外枠の優位性がすでにオッズに反映されているためだと言えます。

現在では「外枠が有利」ではなく、「内枠の回収率が低い」ことに注目してトータルの回収率を上げていくことが有効だと思います。


2つのグループに分割

次に、馬番が「1、2番」「3~16番」の2つのグループに分割して、再集計した結果が下の表です。

比較用に「芝スタート以外のダートコース」の集計結果も掲載しています。

結果を確認しますと、赤枠の「1、2番」の馬が極端に低い回収率を示しています。

また、比較用の「芝スタート以外のダート」では、馬番ごとの回収率の差がほとんどなく(青枠)、「芝スタートのダート」のほうが顕著な結果になっていることが分かります。

さらに、「芝スタートのダート」は「芝スタート以外のダート」よりも全体的な回収率が低いため比較的固い決着になりやすいということも分かります。


年別データの確認

次に、年別に集計した結果を示します。

結果を見ますと、2021年の単勝回収率でのみ傾向が逆転しています。(赤枠)

ただし私の場合は、赤枠の結果は一時的な上振れだと考えて、「1、2番の馬の回収率が低い」という傾向は長期的に信頼できる傾向だと判断します。


データ分析2(逆馬番)

約5年分のデータ確認

次に、約5年分のデータを「芝スタートのダートコース」に絞って、逆馬番ごとの回収率を集計したのが下の表です。

結果を確認しますと、逆馬番1番(=大外)の馬は単勝回収率でも複勝回収率でも80%を超える強い数字が出ています。(赤枠)

また、複勝回収率を全体的に見ていきますと、逆馬番7番までの馬が比較的高い回収率を示していることが確認できます。(青枠)

さらに「逆馬番16番」の馬は極端に弱い数字(緑枠)となっており、逆馬番が大きくなるほど回収率が低くなっていることが分かります。

これは、多頭数で内枠になればなるほど回収率が低いことを示しているため、納得できる結果だと考えています。

※なお、データ分析1で回収率が低いと結論付けた馬番1、2番の馬を除いても同様の傾向が見られます。


3つのグループに分割

次に、逆馬番で「1番(=大外)」と「2~7番」「8~16番」にグループ分けして、回収率を集計した結果が下の表です。

比較用に「芝スタート以外のダートコース」の集計結果も掲載しています。

結果を見ますと、単勝回収率でも複勝回収率でも逆馬番が大きくなるほど(多頭数で内枠になるほど)回収率が低い傾向が見えます。(赤枠)

また、「芝スタート以外のダート」と比較しても、回収率の差が顕著に表れていることが分かります。(青枠との比較)

大外枠の馬の回収率が高い理由としては、大外枠の馬はスタート直後に芝の上を走る距離が最も長いことに加えて、

ゲートに入ってからスタートするまでに待たされる時間が最も短いため、スタートのタイミングがとりやすくストレスも溜まりにくいからだと考えられます。

年別データの確認

次に、年別に集計した結果が下の表になります。

結果を見ますと、私が重要視している複勝回収率では「多頭数で内枠になるほど回収率が低い」という傾向が毎年しっかり出ています。(赤枠)

2020年は「2~7番」の馬が最も回収率が高くなっていますが、これは一時的な上振れだと考えて問題ないと思います。(青枠)

また、単勝回収率は比較的確率収束が遅く、3分割した年別のデータで見ると結構ブレることが多いため、補助的に見ていただければと思います。


結論をまとめますと、

芝スタートのダートでは、外枠のほうが有利か不利かでいうと、有利ではあると思います。

しかし、その優位性はすでにオッズに反映されているため、回収率の改善につなげるためには、以下の傾向に着目してトータルの回収率を上げる必要があると考えています。

・芝スタートのダートでは馬番1、2番の回収率が低い(特に1番の回収率が低い)

・大外枠の回収率が高い

・多頭数で内枠になればなるほど回収率が低い

となります。分析は以上です。

最期に

今回は外枠の優位性を確認したかったことと、「大外枠」を区別したかったので「逆馬番」という手法を使ったのですが、

『「枠」を使うときの厄介な問題』を解決する手法は他にもありますので、機会があれば別記事で紹介いたします。

以上となります。
最期まで読んでいただいた方ありがとうございます。

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