発光バクテリアを育てる
今年出版予定の本に入れたいことがたくさんあります。
しかし、マニアックすぎるものも多く、とりあえずタイトルだけを編集者さんに伝えたところで没になること必至。
そこで、まずは、プレゼン用のものを準備しないといけません。
「発光バクテリア(ビブリオ・フィシェリ V. fischeri)の培養」は、理科系で生物分野を専攻している方であれば、だれでも学生時代にやったことがある実験だと思います。
これをガッチガチの文系おばちゃんにやらせると、クラゲやボルボックス飼育と同じレベルになってしまうのです。
しかし、専用の高額な培地やオートクレーブのない一般家庭で、発光バクテリアをできるだけコンタミ(本来混入するべきでない物質が混入すること。laboratory contaminationの略で、実験汚染、実験室汚染と訳されます)しないように培養し、この実験の最大の弱点である「臭い」も克服できる容器を使いながら、最終的には発光バクテリアランプを作りたいと思うのです。
これが今回、とりあえずできたもの。
まだ輝度は低いので、発光バクテリアくんたちが、多分混ざっているだろう他の雑菌に負けず、むしろ駆逐して増殖してくれたらいいなあ(もっと明るくなるといいなあ)と思っています。発光バクテリアが発光するのは、クオラムセンシング(quorum sensing)と呼ばれる性質によります。同じ種類の菌の生息密度を感知して、密度が大きくなると発光します。
万が一(期待は薄いですが)、次の本に掲載OKがでた場合のことを考慮して手順詳細は掲載しませんが、きららめくりは日記(きらら舎周辺の日めくり日誌)のつもりで書いているので、現在の進捗状況を記録しておきます。
昨日、イカを切って、海水に浸しました。
夜中・・・・・
タッパに入れたイカの切り身は、こんなに幻想的に光り始めました。
実験室では精製水と人工海水の素を使うのだろうけれど、とりあえずの実験なので、クラゲ用に作ってある海水の「調整用濃いめ」をいれちゃいました。
今後は適温を探したり、オートクレーブ代わりになることを模索します。
とりあえず作ったランプ(前述)は最終的な目的をお知らせするためのものなので、これから再度、寒天培地でコロニーを培養してみたりします。
と、いうわけで、やってみました。
このなすりつけかたはだめなんでですが、光っています。
正しく付けたほうは、量が少なかったのか、最初は全くわかりませんでしたが、少しづつ光り始めました。
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