ミズクラゲと暮らす
【ミズクラゲ(水海月)】
刺胞動物門
鉢虫綱
旗口クラゲ目
ミズクラゲ科
ミズクラゲ属
学名:Aurelia sp.
和名:ミズクラゲ(水海月)、ヨツメクラゲ
英名:Moon Jelly、Water Jelly
「クラゲ」といって多くの人が思い浮かべるのが、ミズクラゲでしょう。半透明でふわふわゆらゆらと海中を揺蕩う姿はなんとも涼しげで優雅です。
このクラゲと暮らそうという話。
我が家には何種類かのクラゲがいます。すべてポリプからの飼育です。
クラゲはオスとメスでの有性生殖で受精卵ができ、それがプラヌラ幼生になります。周囲に鞭毛をもった小さな粒は海の中を漂い、岩などに固着します。すると、イソギンチャクにような姿に変身します。これがポリプです。
クラゲの種類によって殖え方はいろいろですが、ミズクラゲのポリプは分裂で殖えていきます。ちぎって海水にいれるとそれぞれの肉片が再生してポリプになったという実験結果もあります。
通常は、このポリプの状態で飼育しています。餌はブラインシュリンプ。かつて昭和の時代に「シーモンキー」なんていう商品名で販売されていたこともあります。正式な名前はアルテミア。これの耐久卵を海水に入れると28度で約24時間で孵化します。孵化したものを洗って与えます。
ポリプはふわふわと伸びた触手でブラインシュリンプを捕食します。
秋が終わり冬になり、気温が下がってきた頃に、飼育容器を室外に出します。給餌もやめます。飼育は小さな硝子壜で行っているので、ただ、それを持って玄関先に置いておくだけですが。
すると、ストロビレーションを起こし、丸い粒のようだったポリプが少しづつ伸びてきます。
そしてくびれができてきて、色が紅色に変化してきます。
そして、触手がどんどん退化してきます。
これはスマホ顕微鏡L-eyeのLarva@Schoolを使って撮影しました。全長は3mmほどです。
ストロビレーションを起こしたポリプをストロビラといいます。ストロビラとは松かさのこと。
これはすでに何匹かのエフィラを遊離させたストロビラですが、エフィラ幼生が何匹も重なっているのがわかるかと思います。
長く伸びたストロビラのくびれは1匹1匹のエフィラ幼生となって、やがて上のものから拍動を始め、遊離していきます。
通常、エフィラ幼生は8つの縁弁と呼ばれるスパナ形の突起をもっています。縁弁の先は2つに分かれ、股の部分に感覚器と呼ばれる小さな点があります。真ん中に少しとんがったひょっとこのような口があります。この突き出した口みたいなものが口腕。真ん中が口柄です。
グーパーするように拍動します。驚かせるとグーになります。ブラインシュリンプを捕まえた時も「逃がすまい!」とグーになります。
時々、縁弁を1本だけ、2本だけ・・・・と器用に閉じる時もあります。
通常、縁弁は8本ですが、多いものや少ないものもいます。
エフィラを出し切ったポリプにブラインシュリンプをあたえると、触手が伸びてきてもとの姿に戻ります。
エフィラにブラインシュリンプをあたえると、約1か月でメタフィラ幼生になります。
水管が膨らんで、縁弁の間から、別の縁弁が伸びてきて、だんだんとぎざぎざがなくなってきます。
色も赤みが消失し、透明になって、クラゲらしくなってきます。
ミズクラゲ、正確にはミズクラゲのポリプですが、これは前述のとおり無性生殖で殖えるので、事故がない限り、永久的に維持ができます。エフィラ~クラゲは半年~1年の寿命です。
ポリプをジャムびんなどで飼育して、クラゲを見たくなったら、温度を下げてクラゲを発生させ、半年~1年飼育し、また1年後にクラゲを出す・・・・・そんなクラゲとの暮らしです。
詳しい飼育方法はブログをご覧ください。
http://tenki.kirara-sha.net/?eid=1340
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