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無題

昨日の撮影は5時半起きの自走で往復300キロ。良い写真が撮れたという手応えを感じた時ほど撮影後は眠くなる。31歳最後の撮影。茨城のサービスエリアのファミリーマートでファミチキを買い、10%の消費税を払ってイートインスペースでそれを食べ、アイスコーヒーを飲み90年代のSMAPの曲を聴きながら都内までノンストップで走り帰った。

誕生日は怖い。深層心理的にはたぶん嬉しくないのだと思う。でも祝ってくれる家族や親友がいて、午前中に数回鳴るインターホンのベルと小包、手紙。自分が思ってる以上に救われる。
誕生日におめでとうと伝えられるのも誰かの誕生日におめでとうと伝えるのも少しだけ苦手である。災害に遭ったときに「大丈夫?」と聞かれる時・聞いてしまう時の気持ちに少しだけ似ている。自意識が過剰すぎて自分は生きるのに向いてないなと思いながら32年間生きた。こんなに長く生きると思っていなかった。
毎年誕生日はまた1年間頑張って生きるためにノートに目標を書いている。目標や指針が無いと生き続けられない。やる気がある人や負けん気の強い人はすごい。そういう人が勝ち残っていく世界の中で、自分は運の良さだけでなんとか生きている気がしてならない。努力コンプレックス。心が15歳のまま止まっている。

新しい靴下で夕方の新宿を歩いてみた。日が短くなって辺りは暗くなったけどサングラスをつけたまま家まで歩いた。すれ違う人は誰もわたしをみていない。安心する。通りがかった一軒家からミートボールの匂いがした。公園のすべりだいで恋愛の話をする中学生の男の子がふたりいた。時間は巻き戻すことができず、過去に戻るには生まれ直さないといけない。変なシステム。錆柄の猫が目の前を通り過ぎていく。郵便受けには手紙が3通。自転車、空気入れてない。運命は分岐する。自分の長所は運が良いところ。人生のセーブデータは2つ。夜中に行くファミレス。自分の車だけがわたしのことを知っている。

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