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5月の終わり

気がついたら5月がおわってた

手帳をパラパラめくってたら
ふとみえた
「EMERGENCY CONTACT LIST」

予期せぬ別れの時に悔いの残らないように書き残しておくリスト

数ヶ月前

ふと思った

"ああ、次の誕生日に自分で人生おわらせよ"

自分で自分の人生おわらせた人てこんな感じだったのかなって思って

最期を考えてこのリストを書いていった

涙をこらえながらリストを書いて

あ、"人生おわらせる"て
今の生き方をおわらせればいいんだ

て思って

仕事をやめるふんぎりがついて

「有休消化してやめさせてもらいます」て
人生最大のわがままを言った

「やめてどうするんだ」
「次が決まってるなら止めないけど、やめたいだけだろ」
「少し休んでまた出てくればいいじゃないか」

"うん やめたいだけ"

"こぼれだしているものが決壊してしまう前に"

そんなやりとりをしていて

ふと

ああ、旅にでよう

桜を追って旅しよう

いつかみてみたかった吉野の桜

奈良、京都

いきたかったみたかった光景にあいにいこう

桜のあとは八重山の蛍

そのまま島々を渡って

そうして日本を巡って
世界を巡ろう

そう思ったらわくわくして

そう伝えたら

「旅に出たいなら休んでまた出てくればいいじゃないか」

て言われて

「じゃあ半年休みます」

「診断書がないのにそんなに休めない」

てやりとりで消耗して

でもあきらめなかったのは

"仕事をやめるか自分の人生やめるか"

てオモイがあったからかもしれない。

二ヶ月有給消化してやめる
て決めて

細々と引き継ぎの用意して

最終出社まであと10日
部内の人に言ってなかったからそろそろ言いたいて上司に申し入れたら

その日の夜にきた

「最後のわがままだから話を聞いてほしい」
て元上司からのメール

流石に無視できなくて話をききにいったら

前の職場の上司がきていて
「やめるとか言ってるんだって?
旅に出るって?
もったいないだろ仕事できるのに。
てか、次の職場きめてきたから。
ここならお前のスキル活かせるし
興味ある分野だろ?
相手の部署も是非きてほしい
て言ってるから試しに行ってみてよ。
休みたいなら帰ってきてからでいいから?」

"はい?"

「てか役員まで動かしてるから断られると困るんだよね。
とりあえずやってみてからやめるか決めてもいいだろ?」

えーと
「いいだろ?」てか
それ断れないやつだよね?
元上司陣が裏で動き回って話つけた感じだよね?
それ断れるほど私ドライじゃないんだよね?

はあ
なにこの展開

とりあえず
できるかできないかは旅から帰ってから考えよ

て引き継ぎおえた次の日に旅にでた

京都、奈良、大阪、埼玉、青森
桜の開花状況チェックして
心惹かれた方へ行く

THE名所で桜と夕暮れに
うあー てなって

夜空に照らされる桜に
すごいーて連発して

朝一で桜の名所の開門に並んで
うわーうわー
てぐるぐるぐるぐる桜をまわって

夜桜の美しさに川に落ちかけて
片足ずぶ濡れになりながらカメラだけは死守して

あいたい景色にあいにいって

偶然の出会いをたのしんで

心動くままにすごした

他の人は仕事してるのに
自分だけこんなにたのしんで
て罪悪感がなかったわけじゃない

でも他の人のことを気にして
外を気にしているうちに
自分がおろそかになってたから
これからは自分を一番にする

そう決めて
心動くままに流れに身をまかせてたら
素敵な出会いがたくさんあった

そして桜満開の弘前から石垣へ

森の中で蛍につつまれる幻想的な時間を味わって

砂浜で満点の星空を独り占めして

旅人の集う宿で出会った人たちと

島を巡って
夜遅くまでゆんたくして
お祭をたのしんで

あこがれの波照間島で偶然の再会して
まさかの南十字星まであえて

心のままにいたら
運も縁も味方してくれた

そんな休みが明けて

緊張しながら新しい職場へ

はじめてきく単語が飛び交って
最初は戸惑ったりもしたけど
資料づくり任されたり
毎日毎日ミッションがあって

慣れないけど
新しいこと知って
新しいことやって
ひとつひとつ形になるのをみるのは
たのしい

イレギュラーすぎる人事に
なにあの人?て思われてるんじゃないかとか
早く帰れていいよねとか思われてるんじゃないかとか
気にならないわけじゃないけど
気にしだしたらキリがないから
考えてもしょうがない
それより明日のお弁当のメニューでも考えよう
て切り替えるようになった

あのEMERGENSY LISTを書いた頃
ギリギリのところで決壊しないようにこらえてたあの頃にはこんな今は想像つかなかった

数ヶ月前の私
あの時、決めて行動したおかげで
こんな今にたどり着いたよ

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