「私の履歴書」、黒田さん

なんともライブな人選で驚いた
いつもの層とは違う読者を獲得しようというあざとい企画かとも穿ってみたが
だってまだ「今だから言える」ほど時間がたってないから。

「私の履歴書」は毎月楽しみにしていて
文章とは本当にその人柄が透けて見えるものだと感心している。
巧拙の差も著しい

こんな文章力でこんなに偉くなれるの?
ということもあるし面白いが、稀。
多くの場合にその筆は安い小説家そこのけの重厚さと気品を備えている

昔の人間はもっと文章力があったのかもしれないし
要求されたのかもしれないし
文章を書けない人間は結局えらくなりにくいのかもしれないし
偉くなる過程で文章力が培われるのかもしれない
まあ達者なだけの筆に軽薄で自分勝手な人格を載せている場合もある。主に古手の政治屋で誰もを置き去りにする自己陶酔感が特徴だ。

ある時は素晴らしい筆力の人間が二か月つづいて
その後に小学生の落書きみたいな文章力しかない人がきて、
その月は三日で読むのをやめてしまった

ところで黒田さんはまだ二日目。
端正で。遠い過去を語る口調はややカズオイシグロ的でさえあるとおもった
その施策に抱いていた印象とは大きな乖離がある
明日は変わる印象かもしれないが
書きとどめておきたい。

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