ゼノブレイドDEの感想(前編)

年末、ちょっと仕事や配信周りが一段落したこともあって、何か大作のゲームをしたくなった。クエストが盛りだくさんで、攻略情報なんかを読みあさりながら、ちまちまと酒を飲んでプレイできるようなやつ。思い当たるタイトルがあった。それがゼノブレイドだった。

元々、無印版のタイトルには縁があった。Wiiで大好きだったマリオギャラクシーのあと、何かゲームをやりたいなと思っていた時期に発売されたのがゼノブレイドだった。Wiiとは思えないぐらいの高いクオリティの背景グラフィックや、ゼノシリーズを手がけていたモノリスソフトの制作とあって、ほぼプレイする直前までいったところで、ちょうど大きめのタイトルの仕事が決まって、それに集中することになり、予定は流れた。そして薄情なことに、仕事が終わるころにはゼノブレイドのことを忘れていた。

そのタイトルを再び聞いたのは7年後のことだった。別件のお仕事で齋藤将嗣さんと関わることがあり、その際にゼノブレイド2というタイトルを伺って、あああのゼノブレイドの、という話をしたのだけれど、前作を未プレイだったこともあって、ソフトを買うだけ買ってプレイはできなかった。ちょうどその頃は、ゼルダやスプラが最高に盛り上がっていた時期で、それらのタイトルに時間を取られまくった結果、やっている時間がなくなってしまったからだ。

しかし評判の高さは各所から入ってきていた。身近なところだとぼくリメの担当さんからで、どこにでもいけるフィールドの自由さとクエストの多さで、時間が無限に溶け続ける、との話だった。担当作家になんて非情なことを言うのだろうと思いつつ、その評でなおさら、今はできないタイトルだと思い知らされた。齋藤さんのキャラデかわいいのになあ、と後ろ髪を引かれつつも、結局このときも諦めることになった。

そして4年が経ち、もはやゼノブレイド2も過去の作品となり、キャラがスマブラに参戦といったニュースでふと思い出す以外には、僕自身の記憶にとどまることもなくなっていた。縁のないタイトルになったのだなあと、そのときは思っていた。

一度は切れかかった縁をもう一度結んだのは、なんとも卑近なきっかけなのだけれども、家の大掃除だった。Switch関連のものをすべてまとめて入れてあるコンテナが満杯になり、もう触らないだろうというものを別の保管用コンテナに移行する中で、手つかずのままだった、ゼノブレイド2の初回限定版パッケージが出てきたのだった。

同様の仕事をしているみなさまと同じく、僕もまた、積みゲーが多い。そして今回のように、売り上げの足しになればと初回限定版を買ってそのままというケースが多い。ゼノブレイド2もまさにそれだった。Switchのゲーム購入が、ほとんどDL版かコード購入になってきた昨今、初期に購入したゼノブレイド2はもちろんカードだった。なんとなく思った。ここでまた箱にしまい込んだら、もう一生プレイしないかもしれない。奇しくも先日、「老後まで楽しみに積みゲーをする愚」について、先輩から教えを頂いた直後だった。先輩曰く、年を取れば老眼や体力で、そもそもゲームをプレイする意欲が失われる。最高の体験を得られるはずの作品を、そんな悲しいプレイ環境に貶めてもいいのかと。僕はそれを聴いて、ゲームを積むのを本当にやめていこうと決意したばかりだった。ゼノブレイド2のパッケージを、目にとまりやすいところにひとまず移動させ、その上で僕はニンテンドーeショップを開いた。昨年見たニュースを覚えていたからだ。ゼノブレイドが10年の時を経てのリマスター版をSwitchで発売。しかもその評価はとても高い。ゼノブレイド2をやるなら、まず先にこちらだろう。

こうして、僕のゼノブレイドDEのプレイが始まったのだった。(前置きだけで1500字になったので続きは後編にします)