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田坂広志「運気を磨く」読書メモ①

運をどう良くするか?という方法を書いてある本や、情報はあふれている。

大きく分けると「行動を変える系」か「思考を変える系」だけど、行動を変える結果、考え方も変わっていくみたいな繋がりがあるので、「思考を変え、その結果行動も変わり、運が寄ってくる」か「行動を変えて、その結果考え方も変わって、運が寄ってくる」というものだと思う。

また、その「運」という現在の科学では説明できないものを利用した胡散臭い商材や商法は多いし、それが「嘘」であるという立証もできないので、「運」の話をすると胡散臭いと思う人も多いのではないか。

著者は工学部出身の研究者で、科学的教育を受けてきた人間だが、科学では説明のつかない「運気」を感じる経験も多くしており、その中で「運気」というものをできるだけ科学的仮説に基づき説明しようとしている本であり、理解が追いつかない部分もあるが非常に面白い本だった。

・運気がわかる人は他人の運も分かる
・成功者の人たちは「たまたま」とか「運が強かった」と言う人が多い
・「類は友を呼ぶ」というような引き寄せの法則なるものがある

といった科学では説明できないが、多くの人が信じているものが「運気」である。では、その運気はどんなイメージか?

①「直観」が閃くということ
②「予感」が当たるということ
③「好機」をつかむということ
④「シンクロニシティ(不思議な偶然の一致)が起こるということ
⑤「コンステレーション」を感じるということ
 ※一見無関係な出来事や出会いに何かの「意味」や「物語」を感じること

では、その「良い運気」を引き寄せる方法は?

まず、前提として下記の法則を理解する必要がある。

我々の「心の状態」が、その心と共鳴するものを「引き寄せる」

欧米では、「引き寄せの法則」日本でも「類は友を呼ぶ」など、

究極ただ1つ、「ポジティブな想念」を持つ、ことが求められる。

では、どうすれば「ポジティブな想念」を持てるのか、を後半で説明しているが、前半では、そもそもなぜ「ポジティブな想念」が「良い運気」を引き寄せるのか?なぜ我々の「心の世界」では「引き寄せ」という現象が起こるのか、を説明している。

【「良い運気」を引き寄せる「心の5つの世界」】

心の世界には5つの世界がある。

第一 個人的な意識の世界
第二 集合的な意識の世界
第三 個人的な無意識の世界
第四 集合的な無意識の世界
第五 超時空的な無意識の世界

まず、「個人的な意識の世界」。これは日常的な意識の世界で通常の我々の表面意識の世界。この表面意識の世界でも「引き寄せ」や「運気」は変わる

①表面意識の世界が「ネガティブな想念」で満たされていると、本来の力が発揮できなくなる。
②「ネガティブな想念」で満たされると、自然に「ネガティブな言葉」となって口をついて出てくる。そして周りの人を遠ざける。
③コミュニケーションの8割は「ノンバーバル」(非言語的)であり、ネガティブな想念を持った人の感情や思念を受け取ってしまう。

そのため、仮に「ネガティブ想念」を持っていた場合、「ポジティブ想念」を持った人は、自然に離れていき、「ネガティブ想念」を持った人が近づいてくる。

同じようなことが「集団的な意識の世界」でも起きるため、ムードメーカーがいるとチームのムードが良くなる→リラックスする→力が発揮できる→さらにムードが良くなるといった好循環になる。

逆に「ウェット・ブランケット」(濡れた毛布)と言われるリーダーなどは、メンバーがやる気を出しても、否定的な対応や、問題点を出して、メンバーの情熱ややる気を消してしまう、という悪循環を作る。

では、第三の心の世界「個人的な無意識の世界」とは?

フロイト、ユング、アドラーなどが研究し、多くの仮説があるが、その研究が共通して語っているのは次の3つである。

①「無意識」の世界の状態は、我々の「意識」の世界からは明確に自覚できない
②「無意識」の世界の力は強く、しばしば、それが「意識」の世界に大きな影響を与えてしまう。
③「無意識」の世界に働きかけて、それを意識的に変えることは容易ではない。

例えば、「幸せな結婚がしたい」と願いながら、いつも相性の悪い相手と巡り会い、不幸な結婚生活と離婚を繰り返す人など、、、

その原因の1つが、無意識の中にある「自己懲罰意識」である。

過去の人生で自分を責めざるを得ないことが会ったときにそれが強いトラウマ(心的外傷)になって無意識の世界に固着してしまう。
その結果、「こんな自分は幸せになってはいけない」というものが無意識の中に存在してしまう。それが悪い運気を引き寄せる。

逆に、無意識の世界に「自分ならできる」「自分は価値ある人間だ」といった「自己肯定意識」や「自己尊重意識」があると、そのポジティブな想念が、人生において幸運と見える出来事を引き寄せ、「良い運気」を引き寄せていく。

ここで重要なことは、一人の人間が表面的に表している姿(表面意識の人格)と、その心の奥深くに潜む姿(無意識の人格)は、多くの場合、かなり異なっている、ということである。

もう1つ重要なことは、この「無意識」の世界は、「表面意識」の世界を経由することなく、「無意識」の世界同士で互いに感応するということである。

この無意識の世界での感応と引き寄せは、「類は友を呼ぶ」という現象が起きる1つの理由でもある。

集団的な無意識について

そもそも「集団的な無意識」とは何か?
「以心伝心」「シンクロニシティ」(不思議な偶然の一致)と呼ばれる現象

個人が無意識の世界で繋がるように、集団でも無意識でつながっていると言う仮説が心理学者のユングが唱えた「Collective Subconsciousness」だ。

人々の心は、深い無意識の世界で、互いに繋がっている。ーユング

このユング心理学を源流として生まれてきた現代心理学の新たな潮流が「トランスパーソナル心理学」(超個心理学)である。

この仮説で「枕元に立つ」「以心伝心」「シンクロニシティ」などの現象が説明できる。

集合的無意識は悪い方にも影響を与えるため、組織でも、社会でも、国家でも、1つの人間集団の「集合的無意識」がネガティブな状態になると、その組織や社会や国家において犯罪や事故や病気などの悪しき現象が多発し、「悪い運気」を引き寄せる結果になる。

反対に、「集合的無意識」をポジティブな想念で満たすことで、犯罪や事故や病気を減らそうという試みもあった。
宗教家マハリシによって提唱された「超越瞑想」(Transcendental Meditation)である。
これは「1つの都市で人口の1%の人々が超越瞑想を行うようになると、集団的無意識が浄化され、ポジティブになり、その都市での犯罪発生率が有意に低減する」という仮説を実証しようとしたものでありマハリシ効果とされている。

では、第五の超時空的な無意識の世界、とは何を指すのか、、、

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