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田坂広志「運気を磨く」読書メモ②

第五の心の世界「超時空的な無意識の世界」について

デジャブ(既視感)といったことや、「夢に見たことが現実になる」といった経験、「予知夢」や「正夢」といった経験をしたことがある人は結構いるだろう。

なぜ、「デジャブ現象」や「予知夢」「正夢」といった形で「未来が見えていた」「未来が見える」という体験をするのだろうか?
これは「時間を超えたシンクロニシティ」とも呼べるが、なぜそれが起きるのか?

過去の出来事が、あたかも未来を予見していたかのように感じられる現象などもなぜ起きるのか?
著者はこういった現象をすぐに「霊的世界」や「背後霊」「超能力」といった思考停止的解釈に結びつける非科学的説明には納得がいかない。と言う。

一方で、科学的なバックグラウンドを持つが故に、自分自身が何度も体験する「予感」や「予見」されには「未来の記憶」と呼ぶべき出来事について、
何らかの科学的説明が存在しないのかを考えもする。

では、これらの科学的説明はできないのだろうか。

現代科学の最先端で議論されている1つの「仮説」がある。
それは「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」と呼ばれるものである。

この「Zero Point Field」とは端的に言えば、この宇宙の全ての場所に偏在するエネルギー場のことであるが、この場所に、宇宙の過去、現在、未来の全ての情報が記録されているという仮説である。

最先端の量子物理学のにおいては、何もない「真空」の中にも、膨大なエネルギーが潜んでいることが明らかにされている。
そのことを象徴するのが、宇宙物理学が提唱する「インフレーション宇宙論」である。

138億年前、宇宙は存在しなく、量子真空が存在した。
ある時それが「ゆらぎ」を起こし、その直後に急激な膨張(インフレーション)を生じ、大爆発(ビッグバン)を経て、この宇宙が誕生したと考えられている。

このように量子真空には膨大なエネルギーがあり、その中に過去・現在・未来すべての出来事が波動として「ホログラム的な構造」で記録されているという仮説が注目されている。

第一 この宇宙のすべての場所には「ゼロポイントフィールド」と呼ばれるエネルギー場が偏在している

第二 そしてこのゼロポイントフィールドには、我々の生きるこの宇宙の過去・現在・未来のすべての情報が記録されている。

第三 従って、我々の心が、このゼロポイントフィールドに何らかの形でつながった時、我々は、過去、現在の出来事はもとより、未来に起こる出来事をも予感、予見することができる。

この仮説を考えると、「以心伝心」「テレパシー」「予知」「予言」「前世の記憶」といった現象についても合理的な説明ができる。

同時に「ブラックボックス的思考」(実態の分からない概念を無条件に受け入れ、思考停止に陥ってしまうという落とし穴)を避けることができる。

このゼロ・ポイント・フィールド仮説が解明されるとしたら、数千年の歴史を超え、人類が長く抱いてきた最も重要な問いに、答えを出す可能性がある。

それは、「神」「仏」「天」というものの実体は何か?という問いである。

このフィールドこそが歴史以来で多くの人が信じてきた「神」「仏」「天」と呼ばれるものの実体ではないか?

そしてそこに繋がる方法が様々な信仰や宗教において「祈り」「祈祷」「ヨガ」「座禅」「瞑想」と呼ばれてきた技法に他ならない。

そう考えると多くの人が「神」「仏」「天」の存在を信じ、「祈り」や「祈祷」を通じて、「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がり、「良きもの」を引き寄せた時「神の加護」「仏の慈悲」「天の導き」が与えられたと感じることにも合理的な理由があると言える。

そして、この5つの世界で特に大事なのは「個人的な無意識の世界」であり、この個人の無意識の世界から、集合的無意識、超時空的な無意識の世界とも繋がり、これらの世界でも「ポジティブなもの」を引き寄せ、「直感」「予感」「シンクロニシティ」などという形で「良い運気」を引き寄せることができる。

ただ、この「無意識の世界」をポジティブな想念で満たすことは極めて難しい。

多くの書籍では、この「無意識を変える方法」として、表面意識にポジティブな想念を強く持てば、それが無意識の世界にも浸透し「良い運気」を引き寄せる。と語られてきたが、なぜこれがうまくいかないことが多いのか?


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