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【株式投資の未来】読書メモ

ジェレミー・シーゲル氏の「株式投資の未来」読みました。
こういった本は発売から15年以上経った今も色褪せることなく読めるから良いですね。熟成された感じすらあります。

何を買えば儲かるという類のものではなく、過去データや経済状況、人口動態などを元に淡々とリターンを出す最善の方法を語るような感じでした。

いくつかメモを。

成長すなわちリターンにあらず。

成長セクターに投資をしたいし、やっぱり成長業界が一番リターンが良いのでは?これから成長するんだし、衰退する業界に投資しても、、、と思います。僕もです。

では、高い成長率の業界が高いリターンをもたらすのか?事実は違う。とのことです。

ここでの学びは、業界や経済が成長することと、投資家に対するリターンは別に考える、ところです。今だと、テクノロジー、半導体、などの成長分野でのリターンよりも、違う業界の方が投資家に対するリターンは高くなる可能性がある、ということですね。

確かにGAFAに10年以上前から投資している人はかなり良いリターンを得ていると思いますが、今からアマゾン株を買って果たしてこれからどれだけリターンがあるのか、を考えるとかなり懐疑的です。

投資するなら成長セクターがもちろんいいでしょ、と思っていた僕の単純な思考を止めてくれました。

バブルに対する避け方、注意点。

教訓その1 バリュエーションはいつも重要
教訓その2 買った銘柄に惚れ込んではいけない
教訓その3 時価総額が大きく、知名度の低い銘柄は要注意
教訓その4 3桁のPERは避ける
教訓その5 バブルで空売りは禁止

結局、今の市場でのお祭り騒ぎに便乗して稼ぐなら、こんな教訓気にしなくてもいいでしょうが、それでうまく売り抜けられる人なんて少ないだろうし、それはギャンブルみたいなものなので、しっかり未来や企業価値とか、その株価のストーリーなどを自分で納得した上で買うようにした方が良いですね。

それがしっかりしていると、下落局面でもあたふたしない、と。昨年の下落局面であたふたしたので、ちゃんと自分で納得したものしか投資しないようにしようと思いました。

「社会保険の本質は、それが保険経理的に不健全なところにある。だれであれ、退職年齢に達すれば、給付金を受け取る権利が与えられ、それは自分の支払った拠出金をはるかに上回る、、、なぜ、そんなことが可能なのか?、、、人口が増加する国では、若者の数がつねに老人の数を上回るからだ。ようするに、実質所得の伸びが年率3%台を維持する限り、給付金の原資となる税収額は、景気の局面がどうであれ、いまの退職者が過去に支払ってきた納税額を大幅に上回る、、、成長する国家とは、これ以上なくよくできたポンジー型利殖装置といえる。」-ポール・サミュエルソン

ポンジー型とはいわゆるねずみ講のことですが、年金システム自体をねずみ講と一刀両断ですね。でも、日本の年金制度も一緒で、「支払った額よく多くの額が将来もらえる」というお約束には、その前提として、若者が増え続ける(人口増加)と経済が伸び続ける(経済成長)がありますし、人口増加と経済成長が止まったら破綻する仕組みです。

日本は人口減少局面に入って、経済成長もほぼ止まっているので、年金制度自体は破綻直前のようなものですが、いきなり破綻なんかさせたらさすがの日本人でも暴動起こすと思うので、ちょっとづつ下げたり、もらえる年齢後にしたり、なんとか騙し騙し続いていくのだと思います。

ここでも経済成長をしないと成り立たない、という仕組みがあり、一方で地球の限界などが直前でもあり、その最前線にいるのが我が国日本ですね。

人口増加と経済成長が資本主義を支え、ここまで発展してきましたが、いよいよ大転換期を感じますね。世界でみると2100年頃から世界人口は減るみたいなので、そこが人類の大きなターニングポイントになるような気がします(そこまでは生きれないかな、、、)

先んじてターニングポイントにいる日本は、経済成長と人口増加がなくても成り立つモデルなどを出していきたいところですが、なかなか難しいですね。どうみてもすぐ結論出せるものではないですが、こういったことを考えるのも好きなので、自分の小さい範囲で考えてみたいと思います。

「わたしに他人より先を見通す目があったとすれば、それは巨人の肩に乗っていたからだ」ーアイザック・ニュートン

謙虚かつ素敵発言ですね、ニュートンさん。

これだけすぐに情報や知識にアクセスできるのは本当にすごいことですし、我々は大きな巨人の肩に乗っている状況です。学び、経験し、それをどう活かしていくのか、投資だけじゃなく人生全般の教訓にしたいと思います。

結局、具体的にどうする、といよりも投資哲学などと過去データと考え方などを学んだような本でした。

良い本でしたので、学んだことを活かしていきたいと思います。



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