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「死の講義」死んだらどうなるか自分で決めなさい。読書メモ

こちらの本の読書メモです。

宗教ごとに死の考え方がわかりやすく整理されていてよかったです。さらっと読んでいましたが、最後の方では著者の想いを感じるような部分も結構あり、熱い本でした。よかったです。

死んだらどうなるかの考え方
1.他の人間や動物に生まれ変わる→インドの宗教(輪廻)
2.別の世界で永遠に生き続ける→一神教
3.すぐそばで子孫を見守る→日本の宗教
4.子孫の命の中に生き続ける→儒教、道教?
5.自然の中に還る→ユニタリアン
6.完全に消滅する→自然科学、唯物論

それぞれの宗教の考え方を本書ではもっと細かく説明していますが、この要約は分かりやすかったです。個人的には、5と6の考え方が近いです。

ユニタリアンの考え方
a なにか偉大な存在が、世界を創造し、人間を造った
b 予言者は、よいことを言っている。
c イエスは、よいことを言っている。
d 人々は、どんな信仰をもつのも自由である。
e 人人の信仰を縛る、どんな教義もなくていい。

ユニタリアンは知らなかったのですが、アメリカのキリスト教の考え方の1つらしいですね。厳格な感じとは違ってて個人的に好きです。

今の社会は、科学の時代、合理主義の時代である。
人々は社会のルールを守り、科学を信じて生きている。
常識ある合理主義者だ。
でも、それだけではすまないところに来ている。
なぜか。それでは十分に生きていることにはならないからだ。

合理主義とか科学には限界があって、その先は客観的な答えは導けないから、どういう選択をするのかは自分で決めないといけないですね。

合理主義者は思う、世界には偶然という穴が空いている。

もともと、神の存在を証明するために始まったのが科学ですが、科学が進化していくと、あれ?神っているの?みたいな空気感にもなり、科学信仰、合理主義が今の主流ですが、全て科学で突き詰めようとしても、どうやっても科学じゃ解明できない部分が出てきます。

じゃあそれって何?となると、また偉大なる何か、という方向性になってきます。

生きるとは、何かを大事にすることである(価値)。
そして、それを言葉で考え、言葉でわかることである(意味)
価値と意味は一人ひとりの生き方である。

なるほどー、と。では宗教を2行に要約すると、、、という部分もよかったです。

一神教を信じるとは、つぎのように考えることである。
神が、世界を創造し、人間を造った。
この世界のすべてのことは、神の意思で、起こる。
キリスト教を信じるとは、つぎのように考えることである。
神が、世界を創造し、人間を造った。
イエス・キリストは、人間を愛し、人間を救う。
イスラム教を信じるとは、つぎのように考えることである。
神が、世界を創造し、人間を造った。
クルアーンには、そのすべての秘密が書いてある。
ユニタリアンを信じるとは、つぎのように考えることである。
偉大な存在が、世界を創造し、人間を造った。
そのことを信じる、どんな信仰もよいものである。
汎神論を信じるとは、つぎのように考えることである。
この世界の至る所ところに、神が存在する。
このすばらしい世界と調和して、人間は生きるべきでだ。
神道を信じるとは、つぎのように考えることである。
神々から、この世界は生まれた。
神々に感謝して、人間は平和に暮らすべきだ。
インドの宗教を信じるとは、つぎのように考えることである。
因果の法則(ダルマ)によって、世界は運行している。
この因果の法則を覚ることに、最高の価値がある。
禅を信じるとは、つぎのように考えることである。
坐禅すれば、仏である。
かつてゴータマも、そのように坐禅した。

ここまで絞った言葉にすると分かりやすいですね!

最後に著者はどの宗教を選んでもプラスになると言っています。

宗教は、科学と常識だけでは、満足できなかった、ぽっかりと空いたあの偶然の空白を埋めて、自分なりの確信をもって他者と共に歩むことができるから。

本書の最後の言葉は下記となっています。

人類の最大の知的財産である宗教をわからないままで、生きていると言えるだろうか。ささやかな本書を手がかりに、宗教の豊かさを味わってくれる人びとがひとりでも多いことを願っている。

そしてあとがきでの下記の言葉に著者の強い想いを感じ、素敵な言葉だと感じたので書いておきます。

死は必ず、生きている途中にやってくる。でもそれが、終わりである。
途中なのに終わり。よってますます、死は考えにくい。
これに立ち向かうには、いつ終わってもいいように生きる。これしかない。
これを覚悟という。

死が日常から隠されている現代において、死について考える、ということは生きることを考えることと近いとも感じます。この言葉は当たり前のようで、それを普段全く自覚できていない自分にはすごく大事にしたい言葉です。









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