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「グレートリセット」読書メモ

もう元の世界には戻れない、いろいろ変わるぞ、という本ですが、著者が淡々と分析をしているような感じなので、想いとか、こんな世界にしたい!というのは特に伝わって来なかったので、響くような本ではありませんでした。

いくつかメモしたいと思うようなことがあったので、書いておきます。

スピードへのこだわりの原因とされるのが「希少性」という要素だ。社会が豊かになるにつれ、時間はますます貴重になる。すると、時間は今まで以上に足りなくなる。これを裏付けるような調査結果もある。豊かな都市の住人は、貧しい町の住人よりも、必ず早足で歩くという。これらが行き着く先は明らかだ。

世界でも有数の豊かになった日本は、より早くいこうとするのではなく、もう少しゆっくりと違う軸でいく方法はないのかとも感じます。アメリカのような資本主義の権化の国は、まだまだスピードを早めざるをえないような気がしますが、そこを目指すのではなく、違う日本ならではの未来の目指し方はできないもんかと感じますし、個人的にはそこを考えていきたいですね。

労働市場はこれから、高報酬の仕事と、消え去ってしまうか、賃金が安くて大して面白くない多くの仕事の間で二極化が進む。新興国や開発途上国(労働人口で若年層が特に多い国)では、テクノロジーが「人口の配当」を「人口の悪夢」に変えてしまう恐れがある。オートメーションによって、労働者が経済成長というエスカレータに乗るのが非常に難しくなるからだ。

どの専門家もどの本も二極化が進むとは言っているので、それはそうなるのでしょう。若年層の失業が多いと国も不安定になるし、そのためにどう仕事(不要なものだとしても)を作るかなどを悩む国は多い気がします。その点、人口減少で、若者の人手不足の日本は、これは逆にチャンスでは?とも感じます。

若者に思う存分高スキルで生産性の高い仕事を提供して、権限も委譲して、人手不足をテクノロジーで解消していくというのはやりやすい国だと思います。その分、中間管理職やら、40-60代ぐらいで完全に不要な人たちは出てくると思うので、その辺がどうなっていくのかは難しいところですね。

今回のパンデミックは、新自由主義の終焉を告げるものとなりそうだ。新自由主義は、連帯よりも競争、政府介入よりも創造的破壊、社会福祉よりも経済成長を重んじると大まかに定義される概念や政策の集成である。

いずれ限界がきたのでしょうが、今回のパンデミックがその契機になる、とのことです。地球の限界も我々ですら実感する(温暖化、異常気象など)今や、このあり方は変わらないといけないもので、それを気づかせてもらった、と考えた方がいいですね。

競争よりも連帯を、経済成長よりも社会福祉を。と。

グローバリゼーションと脱グローバリゼーションの間で揺れ動く中で、最も実現の可能性が高いのは、その中間の解決策、すなわち地域化(リージョナリズム)である。

リージョナリズム。覚えておきます。

「人間はこれまで、多様な動物や植物の種が生息する熱帯雨林やその他の大自然を侵略してきた。そうした動植物の体内には、未知のウィルスが数多く潜んでいる。私たちは木を伐採し、動物を檻に入れ、市場に送る。生態系を破壊し、ウィルスを自然宿主から解放してしまう。解き放たれたウィルスは、新たな宿主を探さなくてはならない。その時、選ばれるのが、多くの場合、私たち人間なのだ」ーデビット:クアメン
多くの研究者が「プラネタリー・ヘルス」という新しい学問の領域に集まっている。そこで人類の幸福と、他の生存種やすべての生態系の間に存在する微妙で複雑なつながりについて研究するのだ。その結果、生物多様性を破壊するとパンデミックの数が増えるということが明らかになった。

今回のパンデミックも地球からのメッセージと捉えるのが良いと思います。

身分や階級をアピールする行動にも異変が起きる。高価な「モノ」を買い、それをひけらかして自分をアピールすることはとにかく時代遅れになるだろう。簡単に言うと、失業や手のつけようのない格差、環境への懸念に悩まされるポストコロナの世界では、富をこれみよがしに誇示する行動はもはや受け入れられないのだ。

これは本当にそうだと思いますし、いまだに誇示系のSNSなどを見ると少しげんなりしてしまいます、、、そこまでお金あっても、まだそれ?みたいな感じに。。

自然の豊かさや多様性、野生の生き物や森林、動物や植物などから遠く離れると、人間の心や体、日々の感情や、心の健康に悪影響が及ぶことも、専門家は実例を挙げて説明している。

こういったことは本当にそうですね。







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