日記_240518

「生きることは罰なんだよ」

この言葉の本当の意味を理解するためだけに生きているかもしれない。
個に、愛に期待して希望を持ち救われ、広義としての社会システムに虐げられ絶望する。社会システムに選ばれなかった人として、静かな幕引きをするか、報復をしてメディアに玩具を提供するか。私が今から社会に報復をしたら、それは悪なのか。悪は、一体誰が決めているのか。その悪を生み出したのは、一体誰なのか。

1000円札を得るために10円玉を捨てるのが(資本主義の)社会システムだ。そこでは記号的な意味において"人"はこの1000円札や10円玉に当たる。だから10円玉の人は1000円のために捨てられる。そしてそれはその社会における概ねの軸上で正しいと思う。とはいえその瞬間の環境に最適化させたとしても結果的にうまくいかないことは人類史が証明しているからこそ、弱者を救うシステムも特に日本においては多く存在している。
「人権」などという、科学技術が革新したことにより数十年で自身の能力が著しく進化したつもりになった愚かな猿たちの、理解が追い付かない概念が成長した現代の日本において、「10円玉も救うべき」という声が"すでに犠牲になった10円玉から"あがる。そしてようやく「大勢の声」として、そのような10円玉を救う仕組みができる。つまりそういった流れの中では"システムの生贄"のフェーズが必ず必要である。そしてあくまでその時の生贄自身は救われない。その後の生贄と同等の性質の10円玉が後日救われるのは事実だが。私はそうやって未来の人を救うための"システムの生贄"として生まれてきたのかもしれない。例えば現代がすでに10円玉が救われる世界になったとしたならば、私はギザ10のような存在なのだと思う。1円玉は逆にわかりやすく価値がないためそれを救うシステムはある。それなりに価値がある100円玉や50円玉は頑張ろうね、といった形だ。私は10円玉なのに、たまたまギザ10であるために「ギザ10なので適応されないんですよ~」と言われシステムから弾かれるような存在。虐げられた者を助けている感に酔っている共依存者共にさえも見向きもされない。彼ら彼女らは「わかりやすくかわいそうな1円玉」を助ける。わかりにくい苦しみを持つものは静かに息を引き取るだけの存在だ。もし私がメッセージを伝えるために社会に報復したとて、おそらく何も理解されないだろう。メディアやSNSの玩具以上にはなり得ない。結局はプロパガンダやマーケティングといった寄生虫に消費され尽くし干からびるだけだ。これ以上人間の愚かさにフォーカスするようなことは、死後にもし世界があったとしたらそこからであっても見たくない。でもいつか、私の犠牲が誰かを救うことになるかもしれないし、逆にそういった犠牲の上に生きていることも忘れないようにしていきたい。

実は自分はいま結構ダメになってしまっていて、寝たきりに近い状態だ。仕事も休みをもらっている。具体的に何か辛いことがあるとか、ストレスがあるとか、そういう感じでは基本的にはなく、ただただ生きるということや自分が存在することを肯定することができないだけ。その理由が何かということはある程度理解しているつもりなんだけれど、解決のような概念はなく、おそらく死ぬまで蝕まれたままな気はしている。結局のところは、法律で裁けない悪を許せば良いだけ。それは自分自身も含まれていると思う。しかしそれがなかなかに難しい。

仕事に行きたいな、音楽をやりたい、会いたい人もたくさんいる。しかしそれも叶わない。大切なものも全部、暗くて深い穴に飛び降りていく。何でそんなことをするかと聞くと、"価値"がないかららしい。価値なんてなくていいよ。私がそう言っても、みんな綺麗な記憶のまま飛び降りていく。忘れたくないものが溢れかえって、部屋が散らかって片付かない。
ほとんど寝たきりの日々を縫い潜って新しい人たちに会えたり、少し前だけれど桜を眺める機会もあった。私に関わったことのある人たちのほとんどは、私のことを忘れているか、良くても多くの人間の中の一人としてぼんやりと記憶しているだろう。どうかそのまま大切にならないであってほしい。桜。何度も言っているが、桜は好きだ。誰にも見向きもされない黒々しい幹が特に好きだ。夜になると視認さえもあやしくなり、より桜の花びらを際立たせる。みんな桜の花びらしか知らないけれど、私は黒い幹を知っている。

静かにだけれど、バンドとして再出発して曲を作ってレコーディングも終わっている。しかもけっこう前に。ひさしぶりにその曲たちを聴いたら、ものすごくきれいでびっくりした。レコーディングできてよかった。ありがとう、メンバーには感謝している。リスナーとして聴く今、私のための音楽になっているよ。この再生数1の音楽を私は愛している。
憎しみに覆い尽くされそうになる。正義に食い尽くされそうになる。誰も信じられない。人間は徹底的に愚かだから仕方ない。そんな時にでも自分の音楽は朝焼けまで横に居てくれる。何も言ってくれないけれど。びっくりするくらい無口。でも、本当にずっと居てくれるんだ。それは一番新しい曲でも一緒だった。


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