明日の夜行バスで京都に行こう23(織成舘)
こんにちは、こんばんわ。aoi kawaです。
のばら珈琲を後にし、一度前を通り過ぎた織成舘へ。
こちらは織元である老舗「渡文」創業者の自宅兼店舗だった町屋を活かし、「手織を中心とした染織文化、工芸文化」を守るために設立された施設だそうです。
織屋建てという形状で建てられていて、のれんをくぐって入館すると、吹き抜けの天井と天窓からふりそそぐ光で解放感がすごくて驚きました。
工場に大型の機織り機を運び込むために、広い土間と天井の高い空間が確保されていたのだそう。
居住スペースの奥に作業場があり、職住一棟型というのも特徴のようです。
ここでは西陣織の手織工場での製作過程や作品を間近で見学できます。
ただ言葉を砕いてゆっくり丁寧に説明して頂きましたが、正直私は一回聞いただけでは理解できませんでした。
工程も多いし、作業もとても複雑。
分かったのはとにかく職人さんがすごいということでした。
繊細な作業を頭と身体に叩き入れ、向き合い続けている職人さんにしかできない手付きを間近で見れるのは本当に貴重な経験です。
織物というと手織機の前で作業している職人さんの姿を想像していて、実際に見学したのはそういった姿だったのですが、実は20以上の工程がありあるそうです。
それぞれの工程にプロフェッショナルがいるということに驚きました。
ざっくりいうとデザインをして、それを織るための設計図をつくって、糸を用意して、設計図通り織るための数々のセッティングをして、初めて製織工程に入れるんだそう。
想像を絶する世界にひぃひぃ言いながら聞いていたのですが、その後は実際の生地を間近で見ながら、「あえてここを盛り上げるように織るとこういう風になる」とか、「ここねじることで隙間が出来て通気性のいい夏用の生地になる」とか、織る時の工夫を聞けて面白かったです。
小技の組み合わせて色んな模様の生地が出来ていくのだと思うと、ワクワクしますよね。
ちなみに私が見学したジャカード織機というのはフランスから持ち込まれた手織機だそうで、こちらが輸入されるまでは一台の織機を数人がかりで動かしていたそうです。
このあたりの生地は職人さんと一緒に見学。
一通り説明をして頂いた後は自由見学でした。
色んな地域の織物も見れたりして。
種類によってはもう職人さんが亡くなってしまって、織れる人がいないものもあるようで、少し切ない気持ちにもなりました。
エントランスには祇園祭の衣装も飾られていました。
昨日の山鉾巡業では山鉾の大きさに圧倒されてしまって細かな箇所まで見れていなかったのですが、衣装も職人さんたちの手で作られているのだと思うと、改めてすごい行事だなと思いました。
閉館一時間前に滑り込んだ感じだったのと平日だったので、入館した際はお客さんがおらず、ゆっくり見学をすることができました。
最後にエントランス横にあるお座敷にも通していただいて、建物も余すことなく見学させていただきました。
帰りに靴を履いていると、2枚の写真が飾ってあることに気が付きました。
1枚はブラタモリの撮影でタモリさんが織成舘に訪れている写真。
もう一枚はサングラスをかけた西洋系のお洒落なおじさまの写真。
どこかの国の俳優さんかなと思いきや、なんとアルマーニさんが訪れた時のものなのだとか。
驚いて、スタッフの方にアルマーニを始めてみましたと伝えたら、他のお客さんにバイデンですかと尋ねられたことがあると笑いながら応えてくださりました。
名前を知っていても、中々姿を見ることはないですもんね。
有名なデザイナーが訪れるほどすごい場所だったんだ。
おすすめしてくれた友人、ありがとう。
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