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西荻窪203(2023.9.1)

ほんとうに好きでした!2020年の12月から住み始めて3年9ヶ月、今日にしおぎを出ます。退去日。

どこに住んでるの?と聞かれて「西荻です」と関東の人に言うことも、「西荻窪、吉祥寺の隣の駅です」と関西の人に言うことももうないと思うとさみしい。さみしい…

住むまでは内見以外で行ったこともなかった街をここまで好きになるとは、思わなかった。物を買う時もどこかに行く時も直感と縁を優先して行動するから、根拠はなかったなぁ。駅前に深夜までやってる喫茶店(引越し後、すぐに閉店しちゃった)があったから、この街はいいところなんだろいなぁと思ったくらいでした。

いた場所を去るときに、あるいは恋人と別れるとき、寂しいなぁと思ったり感情的になることは沢山ある。でも、未練持ったことはなかったんだよね。

でも正直、西荻にはすごくすごく未練がある。

どういう気持ちかって
まだ住んでる近所のお友達(会いに行くね)や最近引っ越してきたお友達(モニターもらってくれてありがとう)、これから引越してくるかもしれない後輩くん(いつもありがとう)に嫉妬するくらい。これから西荻と一緒に生活できるんだものね。

西荻はいい土が入ってるプランターみたい。西荻にいる人たちも丁寧に水をくれるし、外からもたくさんいろんな人やものが入ってきて、それがお互いに作用してどんどんいろんなものが育つのです。

私もこの街の本屋さん、喫茶店、銭湯、いろんなところに感性を広げてもらったな~と思う。均一化されずに、自分の感情や大切にしているお店や場所が多くて、だから自分の感情に素直な人が集まる街。すっごく居心地がよかった!

引越し当初に通わせてもらったコミュニティスペースのぷれまさん、誰かが泊まりに来てくれたら翌朝一緒に行った夢飯。いとこのりさは気に入って2日連続で行ってた。素敵な展示が入れ替わる雑貨屋さんFALLでは大分県の日田リベルテで録音されたアルバム『日田』と出会って日田に行くきっかけをもらったり、一目惚れしたヨーロッパアンティークのお皿を奮発して買ったり、お友達のプレゼントにいい香りの石鹸を買ったりした場所。鳥のジャケットのレコード沢山置いてて、多分オリジナルレーベルなのだよね。いつか欲しいなぁ

西荻を出る引っ越しの日、最後に行ったのは家の本当に目の前の喫茶店。(どうしてもお店の名前が覚えられない)コロナ初期にテレワークが始まって、人に会えない!みたいな時、一人暮らしし始めでさみしいし、仕事は辛すぎて1人で泣いてた。それで昼休みにランチで行くようになったお店。

近所のおばさまたちが沢山来ててみんな優しかった。多分私は珍しいタイプのお客さんだったけど、居心地よくしてくれて。そこにあるバクの謎のぬいぐるみたちを眺めながらお母さんが作ったおいしいごはん沢山食べたな。シチューとか、ポークソテーとか。コーヒーと謎のプリンケーキみたいなデザートが美味しかった。たまに紅茶飲みたかったけど、何も聞かずにコーヒー出してくれる厚意が嬉しくて結局最後までコーヒーしか飲まなかった。

すっごく古いYAMAHAのピアノがあって、お母さんはどうやらピアノを演奏するのが好きで、ある時私がすごい辛かったときに弾いてくれて、その音色がものすごくきれいで。ぽろぽろ涙が出てきて「あ、自分限界だったんだ笑」と気がついた記憶。あぁ〜 朝少し遅めに家を出ると自転車で買い物に行っていたお兄さんとすれ違う。人見知りでひとことしかいつも会話できない私にささやかに優しくしてくれて、嬉しかった。

さっき退去手続き終わった後に寄った徒歩1分の定食屋さん「湯気」。最近できたけど、既に平日オープン時点で並んでる人がいる人気店!

家から30秒の喫茶店juha(ユハ)は、爆音でレコード流してる素敵なお店。会話するより1人で行きたかったから誰も連れて行ったことはないけれど、本当に好きなお店で深煎りのコーヒー豆はここで買ってました(だから家に来てくれた友達はここのコーヒー飲んだことがあるかも)。 店主が朝いつもホースで水撒いてたりタバコ吸ってたりしてて、自由でよかったな。私の大好きなフィンランドの映画監督、カウリスマキの映画からお店の名前を取っていると知ったとき、高円寺の本屋さんで買った本が置いてあったとき、好きなライブハウスの店主の奥さまが知り合いと知ったとき、やっぱりなぁ、の気持ちだった。最後に豆を買ってきました。引っ越してもまた買いにきます。

juha 、最近レコードも売ってます。

お茶するのも飲みに行くのもとりあえず西荻を提案する私に(多分内心遠いな、と思いながら笑)来てくれたお友達、みんなほんとうにありがとう。私のライフワークは自分が好きなものや人、場所を伝えることで、西荻窪を紹介することが私の幸せだったんです。

最後の1ヶ月、最後の1日までたくさん出会いがありました。近所のお友達にはじめ連れて行かれたバー、CURIOUSOER and curiouserは本棚の中身が好きすぎて、何度か行ってみるうちに会いたかった人に偶然会えたり驚くこともありました。店主わかさんの絵もお酒もすき!西荻出ても行きたい場所の一つなのです。

そして今日、引っ越し当初からずーっと気になってたのになぜか入れてなかったお店、ひぐらし古具店さんへ。オーダーのテーブルがとっても欲しくて憧れてるのだけど、飾られていた陶器のアンティーク時計がかわいくて一目惚れしてしまって、これは連れて行きたい…!の気持ちで今一緒に新居に向かっています。

お店にいてもキュートだけど、私の部屋にいたらきっともっとかわいいと思うのです。

直前までいたjuhaで、12時になったらお店を出よう~。と壁掛け時計を眺めていたとき、西荻の自分の部屋には壁掛け時計がなかったことに気がついた。新居は広くなるから、時間確認するためにスマホ探すの大変だし、そもそもスマホ見なくても過ごせるようにしたい。そう思ってた矢先だったので、これは…運命です。

西荻を出るのは、そこにまだ潜んでる(のがすごい見える)出会いのチャンスを逃すみたいで、欲張りな自分にとっては結構悔しい。でも新しい土地にはきっとまた出会いがあるはずで、自分はどこにいても出会える自信はあるからきっと大丈夫!そう思って前を向いて行こう~と思います。

新しい場所は最寄駅で言うと小田急線の成城学園前。(下北まで1本だよ!嬉しい) 地名で言うと調布市。歩いて仙川も近いです。前にインスタでおすすめの駅を聞いたら、仙川が私っぽいと結構言われたので楽しみにしてます。

駅前に深夜1時までやってる喫茶店があったから、きっと大丈夫。一時は西荻にマンションを買おうとローン仮審査までしてたので(笑)また西荻に戻るかもしれないけど、西荻に引っ越した時の不安と期待を思い出しながらとりあえず頑張ります。わー!

甘いっ子で食べたあんみつもおいしかったな。お店出たら豪雨だったっけ。




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