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自由論の動画レビューをいただきました


オリバーさんが、漫画版「自由論」の解説と欧米の哲学科事情などお話する動画を作ってくださいました。「投稿しました」とお伺いしてから見るのになんだか照れてしまってやっと全部見せていただきまして、本のこともおすすめして下さっていてとても嬉しかったです。漫画ですので、大学で哲学を選択してみようとかぜんぜん思わない人にも読んでいただけたらなと思います。

動画の中で仰っていたように、「自由の刑に処されている」ともいえる自由で主体的に生きることがかえってつらい人々もいるというのは現代社会の新しい悩みでもあると思います。「自由論」の中でミルがいっていたように、「立場の弱い人が不利な扱いを受けないよう、自分自身の裁判官になって判断すべき」という言葉がとても重く感じられます。また、自由に生きることがつらいといった人が、いろいろ考えた末に前時代的な定型的な生き方をしたいと決意されるのも、それはそれで自由な生き方として尊重していくべくだと考えています。「個性」というと珍妙なものをまず想像しがちですが、吟味された「普通」は個性的といっていいと思います。

しかしながら、言論の自由、他害原則が揺らぎそうな国際情勢になってきており、皆が「好きに判断し続けることがつらくても、意見の合わない人がいてもお互いの自由を守っていきたい」と改めて実感していく流れになってほしいなと切に思っております。

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