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【中編小説】恋、友達から

一章 城田萌絵と友達 001 高校三年生にもなって単純と思われるかもしれないけれど、それでも、毎日同じアーティストの曲を聴き続けるようなそんな何気ないことの積み重ねがあったからだと思う。  六月中旬となり、断続的なジメジメした日にうんざりする中、今日も雨。 「萌絵、彩、行くよ~」  声を掛けたつぐみちゃんとその横には葵ちゃん。二人は廊下際の席で、私は慌てて道具を抱える。二つ前の彩ちゃんが数歩歩いた私の横に並んで、明るく仕方なさそうに。 「ほら、またペンケース忘れてる」