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これからの学校のあり方とは? 【Vol.5】

終身雇用は終わり…

石井:終身雇用が当たり前と思っていましたが、聖徳学園で様々な先生に出会って考え方が大きく変わりました。品田先生はもちろんですが、再度留学にいく先生や新しい仕事を始める先生とか、そういうのが私にとって大変刺激的でした。自分のやりたいことを貫いている感じが素敵だなと。

品田先生:学校の外に出て行かないと、他の道を選ぼういう選択はなかなか出てこないと思います。何の根拠もなく2014年くらいまでは今の学校を辞めたら人生終わりだと思っていました。2015年に Apple Distinguished Educator(ADE)になって学校の外を広く見渡せたことがきっかけで新しいことをしようと考えました。今の学校を辞めたとしても「その人ならではの何か」があれば生きていけるのではないだろうかと。自分に自信を持って生き方を選択できるようなことを伸ばしてあげられる環境を作りたいと思うようになりました。自分の得意や強みはなかなか見つからないので、色々試せる環境やダメでも許される環境を整えていきたいですね。

とにかくやってみる

石井:挑戦していくと本当に自分のやりたいことが見つかると思います。

品田先生:先生も生徒もやりたいことにチャレンジできる環境を作りたい。そのためには時間をつくることが必要です。そして、それを理解してくれる人がいることが大事だと思います。

先生が全てやる時代はおわり

品田先生生徒と学外の協力者をマッチングできるシステムがほしいですね。学校の外にも役に立ちたいという人は多い。そういう人は意外と多いんだけれど、どうしたらいいかわからないし、その場がない。生徒が興味のある分野の人とその分野で手伝いたい人が安心・安全なカタチで出会える場。それが「学校」だったら面白い。もちろん、人によってはお金がかかるかもしれないけれど、お金はいらないから何かやらせてくれっていう人もいる。それに頼ってもいけないので、ちゃんとお金も回るシステムがないと持続性がありません。また、学校をもっとオープンにできたらいいなと考えています。iTeachers とかも困っている人を助けたい、ノウハウとかを提供したいという想いで活動しています。iTeachers TVだって報酬をもらえるわけでもありませんが、あれだけ多くの先生が出演している。そこからも分かるように、人の役に立ちたいという人は多いのです。そういう人たちがうまい感じでマッチングできればいいなと。

社会に出てからのことを考える

石井:最近では中高で大学入試に向けた勉強だけではなく、社会に出てからも役に立つ力を身につけさせてほしいという親が増えているようです。聖徳学園で言うとSTEAM教育だと思うのですが、なかなか大人だと理解するのが難しいのではないでしょうか。

品田先生:働いている人にしてみれば「言われてみれば」っていう点はあると思いますよ。学校説明会でもSTEAMの話をしますが、高い評価を頂けているので、これから時間をかけて実績を作って理解してもらっていくしかないのかなと。

学歴が全てなのか?

石井:大学の学歴だけが全てみたいなのはなくなるのでしょうか。

品田先生:会社にもよるし、まだまだ時間がかかるかと思います。学歴も一つの判断基準ではあるわけですから。ただ、最近では出身高校を見るとそれでカラーが分かるので、それで採用?! みたいなことをする場合もあるようですよ。これも新しい学歴なのかな。単純に学歴だけというのは今ではもはや少ないでしょう。

今後の聖徳学園

石井:品田先生は今後の聖徳学園がどうなっていくと考えていますか。

品田先生:聖徳学園は多様性があり、割と革新的で時代に合わせて変化していけるような気がしているので、楽観的に考えていますよ。ただ、東洋経済で学力の伸び率全国1位となったので、そっちだけに期待されすぎると、STEAMとか新しいことへのシフトが遅れる不安はありますね。

学びをとことん効率化

品田先生:私の理想とする学校が増えるには相当な時間がかかると思います。クリエイティブなことをやるために時間をつくる。そのためにICTを活用し、学びを効率化する。先生も生徒もお互いに時間に余裕が持てる環境にしていきたいです。

高校生の忙しさ…

石井:でも、今の高校生すごいやらなくてはいけないことがたくさんあります…。

品田先生:そうですね。大学入試改革でポートフォリオや民間英語試験とか言われていますから、単純に考えてもやらなきゃいけないことは増えていますね。残念ながら。

民間英語試験

石井:私は、学校で学ぶ英語と民間英語試験の英語は別の科目のように捉えていました(笑)。

品田先生:必ずしも学校の授業と100%リンクしているわけではないのが現状でしょう。私としては民間英語試験の導入等も破綻してしまうんじゃないかなと懸念しています。結局、前に逆戻りみたいな…。Vol.6に続く…。

                    ※この対話は2019年7月に行われたものです。

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