これからの学校のあり方とは? 【Vol.4】
アメリカの高校での経験
石井:アメリカの高校に通っていましたが、将来を考えた授業が多かったです。例えば、ビジネス系や農業系といった感じで、必修科目は最低限に抑えられていました。
品田先生:日本だとやはり中高まではみんな同じようなことをやっていこうという意識が強いのでは。自分のやりたいことは大学や大学出てから決めればいいみたいな感じがまだあるのかな。タイピングも大学や企業では「何で中高のうちにやっておかないんだ」と言われる。でも、中学も高校も大学受験のための勉強で忙しくてできないと言っている。こんな感じで押しつけあいになってます。今や小学3年でローマ字やるからそのタイミングでタイピングすればいいみたいな人もいますね。絶対に必要ならそれもそれでいいとは思います。果たして今の小学3年生が将来タイピングを必要とするのかも怪しくはありますけれど。
最も大事なのは大学入試
石井:大学入試で必要とされないことはいらないという感じなのでしょうか。
品田先生:いらないとは思っていなくても余裕がないですね。いずれにしても、必修科目を少なくして幅広い選択ができるようにしたいですね。
総合科高校とは?
石井:総合科高校とは、どのような感じなのですか。
品田先生:未来感はあるなと思っています。必修が少なく、多種多様な授業があるため幅広い選択ができます。何にしても色々な挑戦ができる環境を作っていきたい。例えばクラブやめる=学校の敗北みたいなのがありますよね笑。そういう意識を転換して、学校という場に余裕を作りたいなと。
石井:総合科高校はどういった見方をされていますか。
品田先生:残念ながら普通科に行けない子がいくみたいな偏見があると感じています。トップ層の子があえて選んでいくといった選択はなかなかないでしょうね。
石井:総合科に通っても普通科のように勉強できるのでしょうか。
品田先生:もちろんできます。それぞれの生徒に合った学び方はあるので、一概には言えないでしょうけれど、総合科の方が選択肢が広がっていい場合もあるはずです。
学外の人が関わると心配されること
石井:学外の人たちが授業を行っていくことが多くなる中で、心配されていることはあるのでしょうか。
品田先生:一人ひとり良かれと思って違うことを言うので、判断力が備わっていない生徒が混乱してしまうのではないかという心配はあるでしょう。だから学校になんでも入れればいいってわけではないですね。年齢や学校種によって慎重に考えないといけません。
色々な人がいる
品田先生:多様性を学ぶことは小さいころからやっていくべきだと思います。いきなり高校生になって多様性とか言われても難しいのではないかと思います。でも、最近は日常生活でも多様性を感じるようになってきました。いわゆる人種的な多様性もそうだけど、同じ日本人でも多様性があるというのを知る必要があると思いますね。
あえて公立を選ぶ親も
品田先生:多様性を学ぶためにも小中はあえて公立に行かせたいという親もいます。色んな人がまんべんなくいるので、そういった環境が大切ということだと思います。私立は多様性が乏しいということではありませんが、そういう判断も大事ですよね。
本当にそれが良いのか?
品田先生:本当にいわゆるレベルの高い大学に行くのがいいことなのか? ただとにかくお金をたくさん稼げるのが良いことなのか? 社会、大人、教員のそういう意識は根深くあると思いますし、それも一つの価値観で否定するものではありませんが、それだけではないのだと考えられるようにする必要があると思っています。聖徳学園にはストレートに学校教員になっていない先生が多いところが面白いですね。いろんな経歴を持った方がいます。そこから思うのが高校の先生は大学教授みたいな感じにしてもいいのかな。教員になるハードルをそういった意味で下げることも必要なのかもしれませんね。Vol.5に続く…。
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