クラシカル絹代

ショービズ界出身のアパレル販売員。 やるせない世の中のいろんなことを面白おかしく解釈す…

クラシカル絹代

ショービズ界出身のアパレル販売員。 やるせない世の中のいろんなことを面白おかしく解釈するのがすき。 エッセイ「救いようのない人間の定義」連載開始。

最近の記事

「生簀の中の魚だった頃」救いようのない人間の定義 vol.2

「小さい頃の遊びを覚えていますか?」 今日はそんな質問から始めるとしよう。 私はボンヤリした子どもだったので、幼い頃の記憶があまりない。しかし、それでも覚えている遊びがいくつかある。 近所の新築の家の周りに敷き詰められた丸い石を拾って集める「恐竜の卵発掘ごっこ」 傘やレジャーシートやダンボールを持ち寄って原っぱに基地を作る「秘密基地ごっこ」 そして、兄とその友だちの間で一時流行っていた「冒険ごっこ」だ。 まずは冒険ごっこの詳細を記そう。我が家のキッチンにあったテーブ

    • 「はじまりの男」救いようのない人間の定義 vol.1

      この世にはびこる「救いようのない色々なこと」を記録する為に、私はエッセイ(と言えるのかは分からないがそんな風味をたたえたもの)を執筆することにした。 第一回目は、こんな男の話をしよう。 二十代で結婚し、二人の子どもに恵まれ、職場でも順調に昇進。本部長にまで上り詰めたが給与はいっさい家に入れず、長年付き合っていた妻ではない女性に新築のマンションを購入。平日は家族が住む中古の一軒家で妻の働いた金で暮らし、週末は愛人とマンションで過ごす日々を送っていた。 妻から離婚か女と別れる

    「生簀の中の魚だった頃」救いようのない人間の定義 vol.2