情緒

今年の冬は暖冬だそうだ。たしかに、来週にはセンター試験が迫っているというのに、雪が降りそうな気配はまるで無い(僕の住む地域ではセンター試験前後に雪が降るのが通例)。これだけ暖かいと、日向ぼっこも捗るというものだ。ただ、左右を見回してみても、明らかに僕の2倍は生きていそうな方々ばかりだというのが気になるが。

暖冬とはいっても、朝や夜は冷える。そうすると、どうしてもマフラーに顔をうずめ、下を向いて歩いてしまう。だが昼なら、平気で日向ぼっこできるほどには暖かい。すれば、視線は前を、上を向く。僕の目にうつるのは、次に来たる季節に向けて静かに栄養を貯える草木や、太陽に向かって目いっぱい花弁を開いたカラフルな花、そして黙々と環境整備に勤しむ人、日向ぼっこをする人、鳩ものんびりと散歩している様子だ。

左右にいる人には、何が見えているのだろう。草木は、花は、鳩は、何を感じるのだろう。

冬らしくない、柔らかな日差しに充てられて、柄にもないことばかり考えてしまう。

でもたまには、こういう日も必要に違いない。

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