紙と電子

コミックや書籍を紙ではなく、電子書籍として読む人が増えてきた。もちろん、僕も例外ではない。

電子書籍はいつでもどこでも読めるし、かさばらない。紙よりも優れているところは沢山あるが、紙の本が売れなくなるかと言うと、決してそんなことは無いだろう。

僕は紙の本も電子書籍も大好きだ。個人的には、家で読みたい本や、並べたい本は紙で買い、移動の合間や出先で読みたい本は電子書籍で買うようにしている。
このような選択肢が生まれるのは書籍ならではだと思う。

その中で、もはや電子化に抗えていないと思わされるものもある。それは辞書だ。

今、あえて紙の辞書を使うという人は少ないのではないだろうか。電子辞書の方が素早く、大量の辞書から言葉を調べることが出来る。学校でも、電子辞書を持っていない人はいても、その中で紙辞書を使うという人は非常に少ないだろう。

だが僕は書籍やコミックだけではなく、辞書こそ選択肢があるべきだと思うのだ。
書籍やコミックに紙と電子の選択肢があるのは、どちらを買っても内容は変わらないからだ。

辞書は違う。電子辞書はスピードと辞書の種類が、紙辞書は1ページの情報量がそれぞれ優れており、使い方が全く異なる。

調べるときにまずGoogleやYahoo!を使うことは、現代の優れた点であり、良くない点でもある。
すぐに知りたいことが見つかる一方で、検索エンジンに引っ掛からない情報はカットされてしまうからだ。

それは電子辞書でも同じだ。
だからこそ、紙辞書と電子辞書は使い分けるべきだと思う。

紙の発明によって、人類は自らの叡智をより正確に未来に残せるようになった。
さらには活版印刷の発明により、その叡智を世の中に行渡らせることができるようになった。

電子辞書や検索エンジンによって端的に表される情報だけを見ていてはいけない。その情報の背後には、付随するたくさんの情報と歴史があることを忘れてはいけないし、必要に応じてそれを知ろうとしなければいけない。

その思いを忘れないために、たまには時間をかけてゆっくり、言葉を調べてみても良いと思う。

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