降り注ぐチャンス、迎える僕たち
雨の日にはいろいろなことを考えさせられる。外に出にくくて身体よりも頭を動かしがちになるからだろうか。はたまた"雨"には条件反射的に反応してしまう何かがあるのだろうか。
日本語には"雨"を表す言葉が400以上あるそうだ。おそらく"晴れ"を表す言葉よりも多いだろう。それらの多くは俳句や短歌、和歌に用いられたのだろう。晴れている日の何気ない日常があれば、雨の日にじっくりとさまざまなものに目を向けてみる日常もあるだろう。そして"雨"を表す言葉の多さから、雨の日の独特な情緒がどれだけ複雑で繊細なものかが窺える。ここでひとつ、雨にまつわる歌を引用しよう。
大空の 雨はわきてもそそがねど うるふ草木はおのがしなじな ーー藤原公任
簡単に訳せば、「雨は分け隔てなく降り注ぐけれども、それに潤う草木は各々だ」といったところか。
生きていればいいことも悪いこともある。だけどいいことばかり起こる人はいないし、悪いことばかり起こる人もいない。人には等しくチャンスが与えられている。
チャンスを生かせるかどうかは、降り注ぐチャンスではなく、それを迎える各々に依っているのだ。
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