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地下アイドルのライブを観て、感動を生むSNS発信のキモに気づかされた話

いままでアイドルに全く興味がなかった僕が、地下アイドルのライブと超絶応援を観たことがきっかけで、感動を生むSNS発信のキモに気付かされた話をシェアします。

結論は「ヒストリーのシェアを通して多面的な感動を生み出す」です。

アイドルがファンに提供している価値はなにか?感動を生み出す仕組みを活かして顧客をファン化するにはどうすればいいか?など。じぶんビジネスを手掛けている方はSNS発信のヒントになるので、ぜひ最後までご覧ください。

まず、今回の経緯をお話しますね。先に結論を読みたい方は後半まで読み飛ばしてください。

地下アイドルのライブを観ることになった経緯

友達に武藤さん(むっちゃん)という方がいます。僕は起業してから色んな変わった方と出会ってきたのですが、むっちゃんはその中でも際立って異質な方です。

むっちゃんは我武者羅應援團というチームを率いています。

僕は趣味でいろんな方のライブ配信をお手伝いしています。とある会場でむっちゃんが僕のライブ配信に興味を持ってくれて、我武者羅應援團の応援風景をライブ配信できないか?と相談してくれました。

我武者羅應援團の活動は以前から知っていました。持ち前の好奇心がムクムクと持ち上がり、二つ返事でOKしました。その流れで、最初の舞台が今回の地下アイドルのライブ会場でした。アイドルグループのメンバー生誕祭をサプライズ応援する企画だったんです。

応援する相手は猪狩ともかさん。車椅子アイドルとしてパラリンピックにも出演された方です。

むっちゃんは我武者羅應援團の活動をより発展させるため、ライブ配信を含めていろんな実験を試しているタイミングでした。その一環として、応援当日までむっちゃんがどんなふうに過ごしているか?をグループチャットで公開してくれたんですね。普段の食事風景から、なにげない習慣行動まで。さらに数日前から本番さながらの練習を何十回も積み重ねていたことを知りました!だから感情を爆発させながらあれだけのセリフをぶちまけられるんだと納得しました。

アイドルのライブ会場で観たもの

さて当日を迎えました。秋葉原の会場にあるスタッフ控室に行くと、すでにスタンバイしている団員さんが…。事前にウェブサイトで団員さんのお顔と名前をチェックしていたのですが、学ランと普段着とのギャップで誰がどの方かわかりませんでした。「応援が終わって着替えてから、ゲストとすれ違っても気づかれないんだよねー」など冗談を言い合っていたのですが、本番を控えた緊張感が漂ってきます。

しばらくするとYoutubeアーカイブを撮影する映像スタッフも到着しました。映像監督をリーダーとして、プロのカメラマンが1台数十万円するカメラ機材を念入りにチェックしています。唯一無二の存在である我武者羅應援團をアーカイブするために、プロフェッショナルが集結していることが伝わります。むっちゃんは団員、映像チーム、会場スタッフと進行を綿密に確認しながら、チーム初参加となる僕にも気を使ってくれました。

今回のライブ配信はプロトタイプのため、会場での事前リハーサルもなく、ぶっつけ本番で臨みました。映像チームの映像をケーブルでもらおうかとも思いましたが、かえって混乱させる懸念もあったので、カメラとパソコンを持ち込み、スタンドアロンでライブ配信することにしました。

我武者羅應援團が登場するのはライブの後半、生誕祭バースデー演出の最後です。ライブスタートしてから1時間半は何事もなくステージが進行していきます。

いよいよ我武者羅應援團の登場です。スクリーンにド派手なPVが映し出され、2名の団員が代表曲の「ファンファーレ」に合わせて演舞を行います。この「ファンファーレ」は猪狩さんが作詞したそうで、歌詞の一言一言に重みを感じます。

次にむっちゃんの応援です。むっちゃんの応援は決して相手のことを否定せず、ただただ生き様を肯定します。「あなたの生き方は、俺たちへの応援歌だ!ファンファーレだ!」には痺れました。猪狩さん本人はもちろん、チームメンバー、そして100人近い観客まで涙を流し、会場が一体感に包まれていました。

最後に「押忍!」と一礼してさっそうと去っていく応援団。会場には台風一過のようにさわやかな空気が残っていました。

その後、数曲ライブが行われたんですけど、代表曲の「ファンファーレ」を歌ったんですね。それが、いままでライブでやっていたどの曲よりも引き込まれるライブでした。我武者羅應援團の応援によって、アイドルグループだけではなく、観客を含めて会場の空気が一体化して、アイドルに興味のなかった僕まで曲に引き込まれました。

当日の記事はこちら

地下アイドルグループの提供価値は「自己投影」

アイドルグループがファンに提供している価値、ファンを引きつけてやまないもの。それは「自己投影」だと気づきました。

人はだれでもヒーロー願望を持っています。有名になりたい、すごい自分になりたい。でも子供から大人になるにつれて現実に気付きます。自分よりすごい人に出会ったり、挫折を通じて自分はたいしたことないんだと落ち込んだり。いつしか自分の中にいたヒーローは、誰の目にも触れないまま自分の奥底に隠されてしまいます。

地下アイドルは厳しいレッスンを繰り返し、研修生から這い上がり、階段を一つ一つ登って、憧れのステージに立ち、いつかは卒業します。地下アイドルの夢を叶えようとするストーリーは、自分が無意識に隠していたヒーローそのもの。アイドルを応援することで、まるでアバターのように自分とアイドルを重ね合わせ、自己投影して、一体感を感じているんだと思います。

だから、地下アイドルは完璧じゃ駄目なんです。完璧だと自己投影する余白がないので、昭和のアイドルのように崇拝になってしまう。ファンと同じように欠点を抱えながらも、前を向き続ける姿勢に価値があるんです。

ヒストリーが多面的な感動を生み出す

僕も仮面女子のライブと我武者羅應援團の応援を観て、普段感じたことがなかった感動を受けました。この感動はどこから来たのか?を考えてみました。積み上げてきた練習を遺憾なく発揮したパフォーマンスは素晴らしかったけど、それだけじゃないなと。

結論は「ヒストリーが多面的な感動を生み出す」ことでした。

猪狩さんが、子供の頃からモーニング娘が好きだったこと、21歳の遅咲きでアイドルを目指したこと、なんども昇格試験に落ちて25歳で正規メンバーの座を掴んだこと、不慮の事故で車椅子になったこと。障害でビジネスをしていると非難を受けたこと。

むっちゃんが長年心残りだった応援団を大人になってから始めたこと、非常識な企画にメンバーを巻き込んだこと、この本番に向けて何十回も練習を積み上げたこと。

むっちゃんのヒストリーはこちらをご覧ください

ライブを観ている最中にそれらのヒストリーが次から次へと思い起こされて、目の前のパフォーマンス以上に臨場感を感じてきたんですね。まるでライブをトリガーにして、二人のヒストリーを追体験しているかのように。それらが多面的な視点になって、まるで絵画のキュビズムのように二人を超立体的に見せてくれるんですね。

顧客の感動を引き出すSNS発信の秘訣とは?

ではここから、ビジネス発信にどう活かせるか?というお話です。

ビジネスを勉強すると「顧客を感動させる」ってのが大事だと気付かされます。感動を生み出すことで、顧客がファン化して積み上がっていく、そうすることで新規集客を頑張らなくてもビジネスが持続されていく。

そこで、じぶんビジネスを手掛けている人は「顧客を感動させよう!」と仕事を頑張りがちです。この仕事をきっちりやり遂げよう、120%の成果を出そう、顧客に喜んでもらおう、って努力しています。

でも、ぶっちゃけ仕事のパフォーマンスで顧客を感動させるのってハードルが高いと思います。似たようなサービスが増えてきて、お客さんも違いに気づかないことがあります。そこで、仕事のパフォーマンスという1面だけじゃなく、もっと多面的にじぶんのことを観てもらったほうがいい。それには、自分のヒストリーをSNS発信に散りばめるのが効果的です。

SNS発信に自分のヒストリーを散らばらせておくと、興味を持った人の記憶にとどまります。そして実際にサービスを受けたときに、記憶の中のヒストリーが再構築され、あなたのサービス以上の価値を感じてくれます。まるで僕が仮面女子と我武者羅應援團のライブにパフォーマンス以上の価値を感じたように。

SNS発信には最低限「なぜこの仕事をしているのか?」「仕事を始めてから今までにどんなことがあったのか?」はプロフィールとしてまとめておくといいですね。

それから、日々の活動を放りっぱなしでいいのでシェアする。今回のむっちゃんのシェアを観ると「ああ、1時間に3回も応援を練習したんだ…」って様子が伝わってきます。これだけで十分です。

自分の感情も合わせて発信すると効果的です。「お客さんのために頑張る」って前向きなコメントだけでなく、「不安でしょうがない」など内面の葛藤も織り交ぜておきたいですね。

ということで、アイドルに全く興味がなかった僕が、地下アイドルのライブを観て、アイドルがファンに提供する価値とじぶんビジネス発信のキモについて気づいたことをシェアしました。

きまぐれでビジネスなどの相談事を受けています。よかったらのぞいてみてください。
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