選択型シストレを試してみた結果

システムトレードとは、一定の取引ルールにそって機械的に行うトレードのことを言います。(ちなみに人が判断して行うトレードは裁量トレードと呼ばれます)トレードのブームで参入人口が増えている中、初心者には裁量トレードは難易度が高くてなかなか利益をあげられないことを背景に、シストレは「トレードの知識がなくても放っておくだけで利益が得られる」というキャッチコピーで人気を集めています。シストレがFXでこれだけ広まったのは、株より為替の方が取引量が多く2つの通貨間の強弱で動くため、恣意的な動きが少なく、一定の取引ルールに従いやすいからです。

シストレには大きく連続発注型と選択型の2種類に分けられます。連続発注型というのは自分で売買の幅を決めてあらかじめ発注しておくことで自動的に売買を繰り返すものです。ループ系とかリピート系と呼ばれるものですね。これはレンジ相場に向いているトレードになります。例えば1ドル108円から109円の範囲で相場が波打っている場合は、108円で買って109円で売るという注文を出しておくことで利益を得ることができます。裁量トレードでもこのような注文は可能ですが、それを自動的に何度も繰り返してくれるものになります。

選択型というのはストラテジーやEA(エンタープライズアーキテクチャ)と呼ばれる売買プログラムを選ぶだけなのでかなり気軽なタイプになります。

私もブームにそって選択型のインヴァスト証券のシストレを試してみました。その結果はこのような形となりました。

元金:100万円、期間:2016年8月末~2017年2月末、2017年8月末~2017年11月末、結果:ー8万円

お試しのため取引量は5000通貨単位を同時最大2ポジションで選択していました。裁量トレードでやるようにもっと大きな取引量でポジション数も多くしているともっとマイナスが膨らんでましたね。。

まずシストレはイベント時の相場に弱いです。ポジションに順行した急転時には利確しませんが、急落時には即損切します。つまり例えば109円ロングを持っていて、110円に急高しても利益にはならないのに、108円になった時だけすぐに損を出してしまうんです。これはかなり痛い。。イベント時には必ず事前に稼働停止が必要です。

同一ストラテジーでの同時最大ポジション数を2にしていましたが、この場合2つのポジションのエントリーと利確のタイミングはかならずずれていました。上昇相場の場合、最初のロングポジションを取った後、だいぶ上がった後で2つ目のロングポジションを取っているんですね。そして、最初のポジションを利確した後、だいぶ下がったところで2つ目のポジションを利確していました。ただし、損切のタイミングは同じでした。そのため、2つ目のポジションは1つ目より大抵利益が少なく、同時最大ポジション数を1以上にするメリットはないと感じました。

また、シストレはレンジ相場で力を発揮するものだと思っていましたが、どのストラテジーもレンジ相場で利益を出すことができませんでした。レンジ幅の認識が正しくできていないように見えるんですね。なぜそんなタイミングで決済するのだろうと疑問に思う場合が多かったです。そのため、2017年ではドルは小さなレンジ幅で動いていたため適さず、ポンドのような通貨が適していました。優秀ストラテジーもほぼポンドに絡むものでした。

ストラテジーは、おすすめTOP上位、実現損益など上位を常に選択したまたまその週で利益が出たとしてもすぐに相場の流れに合わなくなるので次々に変えていく必要がありました。いったん利益を出せなくなったストラテジーがまた利益を出すようになった例はありませんでした。ずっと使えるストラテジーがなく自動化が難しいと思いました。そして合わなくなった瞬間に大きな損を出すんですよね。。

ということで自動で放っておくと必ず損失が膨らんでいきます。ただ確かに機械的な判断は魅力でもあります。カリスマトレーダーの羊飼いさんもかなりEA研究を最近されていますし、EAでもかなり利益をあげられていますが、放っておくと損失になると明言されています。相場が自動売買に適さない場合は止めるなどの判断をされていますし、EAの取ったポジションをかなりチェックされていて、これはやばいと思ったものについては手動で決済されていますね。またカリスマトレーダーのさなさんは片道エントリーだけEAで行い、利確&ストップは手動で行うのがよいと言われています。

という形でこれからも選択型シストレの研究は進んでいくと思いますが、私はいったんストップです。次は連続発注型シストレの方の実験をしていこうと思います。

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