薄灯りの部屋でドーナッツを齧む。
唇の端から溢れた背徳が、

灯りのない床にぽつり落ちた。

わたしは、その背徳を拾い
清清と屑入れに投げる。

明日は護美の日だからと唇が動く。
明日が護美の日でなければ、

ドーナッツを齧ることはなかった。

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