つゆのひと

ひとりを矜持とす。
往時に向けた背に自負といふ鏡はない。
とつおいつするのちの始末だった。

生まれたならば死ありのまわり合わせ。
そのようなものにおもふ。
 
 
そこに雨でも降れば仕合わせ。
風の齎す情けあり。
 
 
 
雨垂れの染み入る土の馨る。
漸う泥水となりてひとり。

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