よく柿喰う客は

毎年訪れる
初夏の夏みかん騒動
晩夏の冬瓜騒動
初冬の柿騒動

今回も駄文の長文の掲載です
覚悟してお読みください
m(_ _)m


どれも
おうちで食べきれないからと少しずつ
複数のご家庭から寄せられて
我が家で食べきれない量が積み上がる現象

実際
うちで食べきれないものは別のおうちに横流しをし、そこにまた食べきれない量が積み上がる
そのおうちもまた、別のおうちに横流しをして

エンドレス横流し

狭い世の中
もしかするといつかは私が横流したものが再び私の元へ舞い戻ってきていることも
きっとある


今年の私は
この横流しリレーを「どこかで断ち切らねば」と、引受けを程々に調整することにした。

つまり
横流しをやめる

食べきれない量なら初めからもらわない
もらうのなら責任もって食べ尽くすことに徹しようという計画。

5年前
祖父が亡くなるまで実家からは祖父が作ったお野菜を分けてもらっていて
我が家では同じく5年前義母が倒れるまでは、義母が育てた家庭菜園のお野菜が食卓のメインでした

野菜は常にそこにあり、あふれているもの という感覚が、身近な作り手が同時期にいなくなった5年前から、野菜は買うものに変わりました

配達のお仕事をしていると
おかげさまでお得意様から畑のなりものを頂く機会がある
畑直送の新鮮なお野菜を頂ける事がこんなに幸せだったなんて……

失って気づく幸せというのでしょうか

「余りもんだでね。ほかっといても出来るで困っとるだよ。こんなんだけど もらって」

私は知っているのです。まにうけてほんとうに適当な庭の空き地に、いただいたミニトマトの苗を植えて、ほんとうにほかっておいたのです。すると最初の6粒が一斉に出来て以来花は全て落ちたのです。
きんとと架空の著「秘密の菜園」より


育てるも苦労、収穫作業もまた一苦労、あげるために小綺麗に仕立てることも苦労。
断るなんて出来ない、くさらせる、横流すなんて 忍びない!

そんな思いが少しずつ湧き上がってきたのです

さて
この三大なりもの騒動でもマジで手こずってしまうものが 

柿 


食べるけど
追いつかない

正確に表記すると

「アレルギー体質ではないし、苦手ではないので食べるけど、食べる気力が出るまでの時間が柿の食べ頃に追いつかず朽ち果てる可能性が極めて高い」

そして家族で柿をたべるのは私のみ

果物は絶対食わん宣言を高らかに自慢する謎男の旦那を筆頭に、それに便乗している息子、何故か柿だけは苦手という次女、出せば食べるけど滅多に帰省しない長女、の非柿客員構成。

これであの騒動が乗り切れるわけがないのだ!

昨年は不作だったのか
山積みにはならず適度な横流しで腐らせることなくさばくことが出来たが


今年は鈴なりだ!!!

11月初旬
早速最初の4個が到着し、間をおかずデカめの5個がやってきた。二桁行かないうちに手を打たないと。来週伺うお得意様は毎年必ず袋いっぱい用意してくれる。


しかも
今年の冬は暖かい、ぼやぼやしてると柿の足は早いのであっという間に「完熟」が追いついてしまう

その上よりによって「横流ししない宣言」などしてしまった
気合を入れて立ち向かわねば  勝てない

食後に柿を一つ

いくか

皮を剥き、切り分け、皿に盛ってフォークで刺してもそもそと頂く

美味しいなぁ!

おおお種無しだぁ食べやすいなぁ!

も一ついけそう

柿食べるの私だけなら…
なにも丁寧にカットしなくても丸さらでいいか

二つはチョロいな

食べ始めてから2日間
寝起きから便通から肌の調子まで、全ての新陳代謝が向上したかのように、生まれ変わったかのように全身が快調だった

柿のずば抜けたビタミン達が私の体内を一斉清掃してくれたんだ!
柿を食べて良かった!
新しい私!ウェルカム!!

柿を与えてくれた皆さんに感謝だ サンキュー


食欲の爆発する肌寒くなり始めた11月中旬
私は毎日夕食後に柿を二つ三つあむあむと頬張る日を重ねた

8日目の夕食後
胃に激痛が走った

ぐは!!

今朝
頂きものの おばけさつまいも (イモ栽培初心者 I さん夫妻 の畑の片隅に出現した競輪選手の太ももほどある筋肉隆々のサツマイモ)を何とか消費しようと芋ざんまいしたのがいけなかったんだ…

しかし今の私には柿様がついている。
柿さえ食べればなんなく胃腸を改善できるのだ。
柿様の威力をみるが良い
詰まった芋もケロッと洗い流してやるさ

そして柿を二つあむあむと頂いた

なんか……すっきりしない
ずんとおもーい感じが抜けない
胃がもたれている

20個以上あった柿も残すところ4個となりゴールは目前となった朝
昨日の夕食後からずっと胃がもたれて調子が悪い

おかしいなぁ…
筋肉芋が胃に居座っているような感覚が抜けない

柿が 足りないのかな…

それとも もう 胃腸が柿に慣れてしまって「そんな子供だまし通用しないわよ」と謀反でも起こしているのだろうか

朝食後
叛逆の胃腸に柿の本当の恐ろしさを思い知らせてやろうと 柿を一つ平らげた

朝のフルーツは すごいらしいからね

恐れおののけ 胃 !

ぐは!!

……げげげ激痛が……! 

胃が…激しく痛いぃぃぃぃ!!

昨日はしばらくして治まってきたけれど
今日のこの胃の痛みは
全っっっっっ然治まらない!!

嫌な予感がする

この痛み
少し場所が違うけれど
思い出す

4年前の夜にやぐるった  結石(疑惑)!!

あれは結局夜間救急に駆けつけるも行き道で痛みがケロッと治まってしまい、その後も石は発見されてはいなかったのだけれど、私の祖父は長年結石に悩まされたこともあるので石持である可能性は否めない
きんとと悲劇の回顧録「あの夜」


まさか
成長してるのか?
胃辺りで石が成長してる痛みなのかも
でも なんで 今?


変わったことをしてると言えば 間違いなく

柿の爆食

さすがに二つ一気食いは やり過ぎだったか

しかしまさか
結石には結びつかんでしょ と思いきや

「柿」「胃痛」で 検索してみると



柿胃石!?   なななんじゃそりゃ!!?

大量に柿を食べることで胃にタンニンを主成分とした結石が 出来てしまうらしい!
参考   病院検索ホスピタ


味方だと思っていた 柿 が……

食べ始めた頃はあんなに私に優しかったのに
信じて食べ続けていたのに

「敵は本能寺にあり!!」

私の食欲が暴走していた事を
謀反という形で私に危険を知らしめたのか…

そして

まさかの結石マッチングに
私は心の底から震え上がった

そういえば……

石持の祖、祖父の冬は柿づくしだった
頑固な便秘を解消させる神的な存在として崇め奉っていた彼もまた盲目となり道を誤り自ら積極的に石作りをしていたのだ。

くぅぅ……無念

「消化不良だね。石? だーいじょうぶ!」

その日
祖父も通った胃腸内科を受診した
柿爆食を告げて、当然石宣告をされると思っていたがスルッと交わされた。


おや?結石じゃないの?

後で聞いた話だと
食べ合わせで良くないものにさつまいもがあるらしい

消化の良くない柿の連日爆食の末の相性の悪いさつまいもとのブッキングでは 胃腸が謀反を起こしてもしょうがないというものだ



胃を正常に動かす薬を頂いて、数日後、私の胃痛は改善した


あと残り3こだったけど

実家に持って行き
切り分けて、食べてもらいました


こうして私の柿横流さずチャレンジは頓挫した

祖父の仏壇に供えるかどうかは かなり迷った

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