生春巻き放浪紀

映画「温泉シャーク」に、noteクリエイターの むらまささん エキストラ出演達成したと報告を受け、某日、記念にはるばる我が都市 名古屋まで赴くことにした


当日朝、出発に余裕が無く冷凍しておいた食パンをトースターで焼いたが食べずに慌ててバス停まで走る

10時50分名駅到着
上映する109シネマズは名駅から歩いて10分くらい

上映開始時間は11時55分

40分の猶予があるから朝食兼昼食に何か口にしておきたい腹ぺこなのです。
しかし行き道の店に入って座って食べるには微妙な時間かもしれない。
109シネマズ、前回頼んだデニッシュセットは記憶しているが今のぐーぺこ腹に甘いデニッシュは弱い。私はマジの空腹時はしょっぱいもの(つまり食事)じゃないと胃腸が不協和音してダメなのだ。109シネマズには他に腹にたまるしょっぱい何かはあるのだろうか。しょっぱくても腹ぺこなので半分空気のポップコーンで誤魔化したくない。1人で行くので、量の凄さに定評のある映画館ポップコーンを1人ひたすら食べるのも嫌だし、残りを袋に入れて持ち帰ってこの後に寄る予定の図書館にも、道中の電車内でもポップコーン臭をそこはかとなく匂わすのはとにかく嫌だ。かと言って捨てるのはもっと嫌だ。ポップコーン、映画館だからといって誰もが君を求めるわけではないんだよすまないね

じゃあどうするか

映画のチケットをwebで事前購入した際に見た空席情報では上映日4日前というのに私を含めて6席しか埋まっていなかった。6席!?公開最初の土曜の一番公演だが? むらまささん が言うにはB級映画なので決して期待値をあげてはイケナイ とのこと。そうだB級映画とはガラガラで当たり前なのだろう。

6人か……
この人数ならこっそり持ち込み飯を食べても見つからないんじゃ……
イヤだめだだめだだめだケド
もし万が一このシネマの片隅でひもじい思いをしている私に神が「おたべなさい」とささやいてくれるかもしれない。それにかけるしかない。音もせず周囲に食事の気配をさとられないスーパーミールを駅地下でゲットしていこう。

さあ何にする?

胃袋が早速、あの牛肉弁当がマストですよ!と大声をあげたが、よく見ろ胃袋3400円てありえないだろ私の月給いくらか知ってんのかと給料明細を見せて胃袋くんにはちょっと黙って頂いた。

それではと網膜があの彩り弁当ではいかがでしょう野菜中心で健康にも配慮され匂いの強いものも入っておりませんし四十路のご婦人にはピッタリかととすかさず勧めてきた。ナイス!
網膜!がしかし!弁当を止める輪ゴムを外すぱちぱち音で映画泥棒に見つかりおしおき部屋でマナーの基本を叩き込まれる運びになってしまうに違いない。それは私のプライドが許さない

じゃああちらのデカ焼売単品なら1個300円からでお値打ちですし食べ歩き用の紙に包んでもらえるようですから大きな音もしませんよと鼻腔が囁いてきた。しゆ…焼売!!私の好物を鼻腔が嗅ぎつけた。ナーーーイスと褒めたいが ダメだダメだダメだダメだーーー!まだわからんのか温められて美味しそうな匂いが離れたここまで飛んでくるということは、同じく1人離れた座席にいようとも他の5人の席までこの匂いが届いてしまい係員につまみ出されてしまう結末になるだろうがー。

前頭葉が閃いた
前方のデリカの生春巻き。スティックタイプになっているので食べ歩き仕様だ。冷えた具材は匂いも飛ばないし春巻きだが生タイプなので咀嚼音などゼロに近いし野菜たっぷりな上に値段も300円とリーズナブル。どこをとっても申し分無い…これじゃあないですか!!???

完璧なまでの映画スタイルと推された生春巻きを、採用しないわけがない

混みあった前方のデリカでサーモンの生春巻きを1本注文する
店員さんは手早く生春巻きをラップで包みそれをプラケースに入れてテープで口を留めポリ袋でさらに包んでレジ袋に入れてお待たせしましたと言いながら差し出した。
それはそれは丁寧にして頂いたのだが私の参謀前頭葉の完璧な映画ミールプロジェクトは破綻した。
巻いたメシモノを選んだからって包み願望強めと思われたのだろうか。包み込まなければ叱られるとなにがしかの強迫観念にでも囚われているのだろうか。そしてここまで過剰包装しておいて「レジ袋はご入用ですか」とエコ推進感をなぜ出したんだとデリカに問いたい。生春巻き到達までのアクションが格段に増えたらカサカサさせた不穏な動きのおばはんは一発でとっ捕まってしまうじゃあないかと憤ったが きんとと 、店員さんを責めるのはお門違いだ。私はすぐ食べますと伝えてないのだからデリカの買い物を食べ歩き仕様に向こうからカスタムしてくる方のが本来不自然だろう。

まあそのおかげで私は映画館でしょっぴかれるリスクを避けられられたのだから過剰包装にむしろ感謝すべきなのだ。

ではこの生春巻き

どこで食べる?

オードリーの若林くんが以前収録に中京テレビに向かう折り、新幹線に乗る前に海鮮丼を買ったもののいざ食べるとなると場所に困り鮮度が命の海鮮丼を目的地の名古屋を越し岐阜までの経路市中引き回した話がずっと頭の中を駆け巡る。
ああなっちゃう気がしてならないが私には秘策が何個か用意されている。大丈夫だ。

まずは映画館階下に小さいスペースだが自由に出来るテラス席があるのを把握している。
食事はもちろん本を読んでも良し昼寝したって誰も文句は付けられない天が許した地だ。
おや?なんだか前回と様子が違い随分と賑やかい。察するに、数時間後に近くのZeppで行われるアイドルのライブにきたオジサンオタク達が写真交換目的に集まり席を埋め尽くしているようだ。…………。


映画館内チケットブース奥にフリースペースがあり確か自由に食事が出来たはず。だが持ち込み品をここで食べていいかは未確認のため飲み物だけ購入しておくことにした。チケットはWebで購入済みだが訳あって紙ベースを出さなくてはならないので先にチケットブースで引き換え手続きをしていたら後ろからUNEXTの勧誘にあい、そそくさとその場から逃げてしまったのでもう二度とチケットブース方面には近づけなくなった。同時に私の食事スペースも失ったわけで熱いココアだけが手元に残された。また負けだ。

先程もボヤいたが腹ぺこ時に甘い物を流し込めない面倒な胃袋のため、この場で堂々と口に出来るホットココアをも飲むことが出来ない

かくなる上は
もう一度階下に戻りテラス席を覗く。が、一向にオジサンたちは微動だにせず、お互いの好きなアイドルを熱弁している。交換する写真を持ち合わせていないオバサンが同席していいわけがないし、能面でデリカの生春巻きを出し食べる勇気など私にあるわけがない

頼みの綱にしていたゲームコーナー横のフリースペースはよく見たらワンドリンク制持ち込みの食事不可罰金一万円と書かれており、今や飲み物まで持ち込み品の部類になってしまった者がここに入れるわけがない。ここもダメだ。

最終手段マック前の外ベンチ!いうてここがどこよりも買い食いしていても自然に見える。が、このベンチの所有者がビルなら私がここで買い食いする権利はあるがマックだとすればつまはじきだ。ベンチはビルの壁に造りつけられているので良さそうだが満席のマック店内から丸見えの窓沿いで40オバサンが生春巻きを颯爽と取り出し食べる姿を若者に見せろというの!?窓越しに事情を知らない若者達はきっと困惑し将来行き詰まった時あんなオバサンいたなと思い出しあれよりマシかと新たな一歩を踏み出すんだ。そんな形でしか若者を支えられない大人になるのはゴメンだ。

そんなことをしているうちに開場時間になってしまった。諦めて中に入るとなんと、なななななんと!満席!?


あのまま6人なら食欲魔人と化した私は再び持ち込み食いチャレンジをしてしまっただろうが全方位固められてしまったので完全に諦めがついた。助かった。


生春巻きを食べることに執着し過ぎて本来の目的を忘れるところだった。むらまささん がひょんなことからこの映画でエキストラ出演を果たし、映像に残されていると言うのでそれは喜ばしいことと拝見しにきたのだ。それにタイトルからしてパニックコメディ、好みだから見てみたい

さあ 探すぞお!

サメの被害現場の警察の現場検証を、スマホを構えながら遠巻きに眺めてひそひそ言い合っている、危機感の薄い現代の野次馬のシーンです。僕は画面左手で赤髪の女性とひそひそ言い合ってるおじさんです。

むらまささんnote
「映画『温泉シャーク』7月5日公開!」より抜粋

こんなにヒントがあるのなら面識無くても探せる気がするなと自信満々だったが
探せなかった
すっかり内容に飲み込まれて目的を忘れてしまったのだ。
ハチャメチャなB級映画 のノリに思考がとっちらかって、気がついたら終盤に来ていた。おそらく むらまささんの出演されていたのはこの証言から察するに序盤も序盤、それも今思えば、のことで、当初は勝手にもう少し後ろの方だと思い込んで序盤をノーマークで見逃した。
目的は何一つ果たせなかったがおもしろかったので良しとします。

さてもうひとつの課題が残されたままだ

時刻は14時10分、そろそろ鮮度が心配な生春巻き、次の目的地の図書館までにいい加減どこか腰を据えなければ。

そういえばこの先に中京テレビ社屋があり、その横に公園が広がっていた気がする。そうだ公園、ここがダメならもうこの地に許された場所など無いに等しい。炎天下の中、そびえ立つ社屋を目指して歩く。暑い…。ひなたはとんでもない暑さだ…。「着いた!!」朦朧としながら広がる敷地を見渡すと日陰はどこにも無い。大都会でありながら人っ子一人いない猛暑の無の空間。ここには誰もいないがそばのビルの中には涼やかにした者たちがひしめき合っているハズだ。ならば炎天下で生春巻きたべてるオバサンは優雅なビル人達に見つけられてちょっとメンタルヤバめな人がいると認知されるんだ。はあ。

たった1本の生春巻きを食べるのになんでこんなに思考を巡らせてるんだろう

さっき見た「温泉シャーク」のハチャメチャを見習って堂々とどこでも食べればいいじゃあないかと思い切りたいがなかなかそうはいかない。なぜなら私の世界はフィクションではないし切羽詰まった状況な訳でもないからつまらないことこそ余計なことを考え過ぎて、もしかしたらそんな自分を楽しんでいるのかもしれないnoteのネタにするために。

ダラダラと駄文にここまでお付き合いくださりありがとうございました

中京テレビ向かいの涼しい商業施設内のロビーを借りて3時間越しの生春巻きを頂きましたm(_ _)m

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