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金的の散花~Early Year~

━ロサンゼルス郊外・・・3000坪という広大な敷地を取り囲むかのようにそびえ立つ有刺鉄線と無数の監視カメラ付きの塀・・・閑静でのどかな町ではあるが、今この場所は数十台の救急車と軍用車に囲まれ、物々しい雰囲気と化していた。

立ち入り禁止のロープが張られた向こうでは野次馬達が集まり、何事かと皆一様にその様子をスマホの動画で撮影している。

そしてそんな中、敷地内から次々と担架で運び出される11人の遺体・・・しかし、最後に運び出された男はまだ辛うじて意識があり、男は薄れゆく意識の中で組織への復讐を固く誓っていた。

男の名はリディック・・・類稀な戦闘能力と諜報能力を有し、これまでに多くの任務に就き国家と政府に忠誠を尽くして来ては名誉を戴冠し、特進を重ねて来た。
そして、今回の任務をクリアーした後は退役し、マイアミビーチへの移住を考えていた。

━2時間前

“B・C・D”(ビューティフル・コマンド・デルタ)・・・数年前より結成された女性だけのテロリスト軍団で、これまで世界各国の要人暗殺や誘拐、機密文書の奪取、果ては核ミサイルの強奪とあらゆる軍事作戦を展開しては目的を必ず達成し、今では世界中の警察や軍隊からも恐れられている。
そして、そんなB・C・Dの次なる目的はアメリカの政府高官の暗殺であった。

諜報機関を通じ、アメリカ政府は国内にて拠点を築いていたB・C・Dの基地を、ここロサンゼルス郊外の建物と特定し、テロリスト排除の極秘命令を政府直属の特殊工作部隊に下していた。
リディックに課せられた使命は、このB・C・Dの基地内部の偵察と司令官の暗殺であった。

刻は深夜2時、数人の部下を連れセキュリティシステムの解除工作に成功したリディックらは通気口から侵入すると続く内部に張り巡らされた赤外線レーザーもくぐり抜けながら、何とか基地内部の侵入に成功した。

その後、各個分散移動となり、各々で内部の捜索に当たる事にしたものの、直後に部下達との連絡は途絶え、危急な事態に陥った事を覚ったリディックはそれでも任務遂行を最優先とし、足早に基地の深部へと向かっていた。
そして、消火用散水栓の中が地下へと続く隠し通路である事を突き止めたリディックは急いで地下へと降り、更に先を急ごうとした。

しかし、そこにはリディックの進行を阻止すべく2人のB・C・Dメンバーが待ち構えていた・・・

リディック『ちっ!、誰にも遭遇しないでボスの元へと行きたかったんだがな・・・仕方ない、さっさと片付けさせてもらうぞ・・・・って何で、そんなハイレグなレースクイーンみたいな格好してやがんだか・・』

女A『強さと美しさを象徴するスタイルを、それが私達だからね・・・そんな事より私か彼女か、好きな方を選びな。』

リディック『あぁ?』

女A『見た所、あんたのエモノはその腰にぶら下げたサイレンサー付きのベレッタだけのようだし、私達も武器は持っていない・・・素手なら2人も必要ない、私か彼女か、戦いたい方を選びな。』

リディック『随分と余裕たっぷりじゃねぇか・・・どっちかを倒したら、もう片方も出て来るんだろーが、こっちは時間かけてらんねーんだ、2人まとめて来いよ。』

女B『・・・舐められたものね、その言葉あとで後悔しても遅いわよ。』

女A『2人掛かりってのが不本意だけど、あんたが望んだ以上、しょうがないわね・・・文句は言わないでよ。』

リディック『へっ!、威勢だけはいいが後悔すんのはお前達の方だぜ。』

━5分後

リディック『ハァ・・・ハァ・・・うぐっ!・・・くそっ!!』

女B『女だと思って大口叩いては無様に散る・・・もう何度もお前のような輩は目にして来た・・・残念だが、お前はもし個々に戦っていたとしても私達の敵では無かっただろう。』

リディック『ふざけんな、クソ!!・・・これぐらいのハンディで丁度いいぐらいだ、ごたく抜かしてねぇでさっさと掛かって来い!』

女A『あ~、あんたは今まで以上の輪をかけたバカだね・・・せっかく今からでもタイマンに切り替えてあげようかと思ってたのに。』

リディック『うるせぇ!、男に二言はねぇ!!・・・こねぇならこっちから行くぞ!』

圧倒的な力の差の前に一方的に攻められ、防戦一方となっていたリディックは、内心後悔しながらも2人の女戦闘員を相手に活路を見出だそうとしていた。

リディック(クソが・・・確かに誤算だ、最強のテロリスト軍団と聞いてはいたが所詮は女だけの組織、俺の敵じゃないとタカをくくっていたんだが、噂は伊達じゃなかったって事か)

リディック(いきなり2人同時に倒そうとするのはリスクがありすぎる・・・まずはこれ以上、ダメージを負わない為にもディフェンスに徹しながら一人に狙いを定めて密着した瞬間、こいつ<ベレッタ>で脳天か心臓を、ぶち抜くしかねぇな)

女A『やっぱり2対1は無謀だったね・・・そろそろフィニッシュと行かせてもらうわよ。』

リディック(まだだ・・・もう少し引き付けて・・・・今っ!!)

“ヒュッ!”
“ガシッ!”

リディック『バ、バカな!?・・・』

“ゴガァッ!!”

リディック『あがはぁっ!!』(情けねぇ・・・ここまでか・・)

2対1という圧倒的不利な状況の中、もはやまともに戦っていては勝ち目が無いと判断したリディックは、黒髪ロングの東洋人の女戦闘員(A)に的を絞ると、2人の猛攻を凌ぎながら、ひたすら密着して来る瞬間を待っていた・・・・そして、フィニッシュとして一気に接近戦にて畳み込んで来た瞬間を狙い、腰に装着さしていたピストル(ベレッタ)を抜き取るや、女の心臓部に突き付け、引き金を引こうとした。

し か し ・ ・ ・

引こうとした引き金は鉛のように重く、リディックは瞬時にこの判断がミスであった事を覚った。
女はリディックの作戦を見抜いており、突き付けられた瞬間、ピストルのバレルを掴んでは力いっぱい握り締めていた・・・その握力はとても細い身体の女の力とは思えず、リディックは呆気に取られていた。
そして次の瞬間、もう1人の女から放たれたカカト落としを脳天に喰らい、リディックは両膝から崩れ落ちた。

女B『特殊工作部隊の隊長だから少しは骨のある男かと思って期待していたけど、とんだ期待外れだったわ・・・もうお前に用は無い、部下達の元へ逝きな。』

リディック『ま、まさか・・・俺の部下達は!?』

女B『とっくに全滅してるわよ・・・ここに乗り込んで来た時点で、お前達の運命は決まっていたのよ。』

リディック(バカな!?・・・精鋭の俺の部下達が、僅か数十分で全滅だと!?・・・・)

女A『悲しむ必要はないわ・・・すぐに部下達とも会えるんだから。 勿論、あの世でだけどね。』

リディック(くっ!・・・B・C・D、まさかこれ程とは・・・・だが、ただでは死なんぞ!!、せめて一太刀)

カカト落としを喰らい、脳震盪を起こしかけていたリディックは完全に体力の底を尽き、死を覚悟していた・・・しかし、まさかの部下の訃報を耳にし、一気に怒りがこみ上げたリディックは、せめて2人を道連れにすべく最後の攻撃を画策していた。

女B『お喋りはここまでよ・・・そろそろ死んでもらうわ。』

リディック(この位置・この体勢から致命傷を負わせる事の出来る箇所は・・・・クソっ!、女に効くとは思えねーが躊躇しているヒマはねぇ!)

女A『バイバイ、お兄さん♪』

リディック『・・・道連れにしてやるぜ!』

“ガシッ!!”
“き━━━━━━ん!!”

女A『あぁぁぁぁぁ~~~~っ!!!!』
女B『きゃあぁぁぁ~~~~っ!!!!』

女は両膝を付き、うなだれているリディックからピストルを奪うと更に近寄り、リディックの側頭部にピストルを突き付け、トドメを刺そうとした。
しかし、リディックは最後の一撃を狙い、その体勢から繰り出せるべき最善の技と攻撃箇所を定めていた・・・・心臓には遠く、足への攻撃では致命打とはならない。
手を伸ばせば丁度届く距離の箇所、“金的”・・・しかし、女に効くという保証は無く、当然実戦でも使った事は無い。
それでも躊躇していては死ぬだけであるリディックは、一切の迷いを振り切り、2人の股間を直下から掴み上げるや、更に深いダメージを負わせるべくレオタードをめくり指を中へと突っ込んで行った。

悲鳴を上げ、成す術なく悶える2人を前にリディックは一気に勝機を見出だし、渾身の力を込めて膣内をえぐって行く。

女A『ぁぁぁぁ!!・・・ちょ!・・あな・・た、どこに・・・指入れ・・あぁぁぁぁ~~っ!!』

女B『あぅぅっ!!・・・くっ!・・ひ、卑怯な!・・・あぁぁぁぁぁ~~っ!!』

リディック『卑怯?、悪いな・・殺るか殺られるかの実戦では金的こそ最も有効な攻撃だ。
このまま潰させてもらうぞ。』

“グシャァァァ!!”

女A『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~っ!!!!』
女B『いやああぁぁぁぁぁ~~っ!!!!』

リディック(まさか金的攻撃が、ここまで女に効くとは・・・もしかしたら男以上の急所かもな。)

完全に局部を潰された2人は血に染まった股間を晒したまま仰向けに倒れ失神し、リディックは痛む身体を引きずりながら、その場を後にした。

しかし、この攻撃により彼の中では良からぬ何かが目覚めた瞬間でもあった。

━10分後、医務室にて

キャンディス『2人の様子はどう?』

女戦闘員『はっ!、幸い命に別状はありませんが怪我の程度は深刻です・・・ソンヨン少尉は膣が会陰にかけ大きく裂け、カタリーナ少尉はクリトリスが引き千切られています。
子宮へのダメージは不明ですが、恐らくは全治2ヶ月前後の重傷かと・・・』

マリア『侵入したネズミ共はあと1人・・・2人がかりで行ったはずだけど、油断したのかしら?
それとも久々に骨のある敵が現れたとか?』

ルフィアーナ『どのみち許せないわね、よくも女の大事な箇所を・・・相手は残り1人らしいけど、今どこにいるのかしら?
2人の仇は私が討つわ。』

キャンディス『いえ、私が直接始末するわ・・・こいつらは先遣隊、恐らく基地とは常時交信しているはず・・きっと連絡が途絶えた瞬間、後続の部隊が大挙して押し寄せて来るはずよ。
今はここにいる人数だけで大部隊を迎え撃つのは得策じゃないわ、早々に撤収するべきね。』

ルフィアーナ『元帥、我々はどうすれば?』

キャンディス『まずはソンヨンとカタリーナを救護ヘリに乗せてティファナ(メキシコ)のアジトへと輸送しなさい、他のみんなはハンヴィー(軍用車)にそれぞれ搭乗してサンディエゴのアジトへと向かいなさい。
私は最後のネズミを駆除次第、すぐにみんなの後を追うわ。』

一同『イエッサー!!』

今なお、意識の戻らない2人を前にボスであるキャンディスは号令をかけると、すぐに医務室を後にし、リディックの討伐へと出向いて行った。


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