チェーンソー講習について(無料)

 ということで昨日チェーンソー講習に行きました。といっても座学だけで実技がないから助かります。
 実技があったら痛み止めがいくらあっても恐らく足りないだろうから(笑)

 これは既に資格を持った人を対象としたもので、最近法律が改正されたことに伴って実施されるようになったものです。
 といっても半日講習に出るだけで資格が取れるというものだし、今回の補講もほぼ同様だから、まあ資格の中では相当楽にとれる部類のものかなと。
 はて、これ資格と言っていいのか疑問だが、まあ特別教育を受講しないとできないこともあるってんだから資格の仲間とみなしてもいいんじゃないでしょうか(多分)。

 刈り払い機も同様なのがあるので、興味があれば「チェーンソー 講習」とか「刈り払い機 講習」とかで調べてみるとおもしろいかも。

 で、講習を受けるだけで修了証を手に入れることはできるわけだが、その講習の中身というのは考察されるべきものがあるといえると思います。ということで以下にいろいろ書いていきます。


 主な内容としては
 ①チェーンソーによるケガの話
 ②木の切り方によるケガの話
 ③ケガ防止の話←メイン
 となってます。

 ・山の状況

 今恐らく日本全体の山林はけっこうな割合が腐っているとか枯れているとか虫食いだとかになっていると思います。
 で、そうした木を切っていると予想外の倒れ方をして身の危険につながるとかいうことがよく起こる。私もチェーンソー既に2つ壊しました(笑)
 倒木に潰されたのだが、私じゃなくて持ってるチェーンソーが潰れたってんだから、まあ紙一重な差であります。

 まあそれでも無傷でいられてるってのはけっこうラッキーだったんだろうが、せっかくの運をこういうところで使い果たしても仕方がないような気もする(笑)

 ま、それはいいとして木を切るってのはあれだけの重量のあるものを切るわけだからけっこう命がけだし、ちょっとミスれば即あの世行きとか。大ケガするとか。そういうのが常に付きまとうし割に合わない話だと思う。まあ割に合わないから誰もしなくなった、だから日本の山林がこうも荒れてるんだろうけど。

 ①チェーンソーによるケガについて

画像1

 これテキストの絵だけどとにかくケガが多いのがチェーンソーを使った作業の特徴でもあり、また林業の特徴でもある。

 で、その中には「左足の太ももの上で大木を支えつつ切ってたら、切り終わった時にチェーンソーで左足を切っちゃった」なんてのもある。半分笑えるような話だが、半分けっこう笑えない話でもある。チェーンソー作業に関わらずだが、「作業に熱中してたらつい」ってのはどの仕事でも起こり得る話である。集中してたらつい、熱中してたらつい。でもその「つい……」が左足をチェーンソーで切る、なんて事態に繋がる。

 それが起こるということ、なぜ起こるのか、そしてどのようにしたら防げるのか、ということから得られる知恵というのは恐らく広く様々な仕事で適用され得るものだと思うし、まあ役に立つんじゃないかと。
 集中するということと、広く物事を見るというこの矛盾した二つをいかに自身の内に取り込んでモノにしていくかということでもあると思うし、そうしたものがこれを読むだけで養えるようになったら、少なくともそれを考えていくきっかけとなればと思う。

画像2

 ②これ、かかり木(かかりぎ)の処理についての話だけど、このかかり木の処理ってのが林業業界の中ではけっこう重要項目になっているわけだ。
 なぜか。
 かかり木によってかかられてる木を切って、かかり木がそのまま作業してた人の上に落ちてきて死亡、なんて例が非常に多いわけだ。つまり上の図。これも半分笑えて、半分笑えない話。
 これを元玉切り(もとだまぎり)といいます。
 こうした話が本当に多いと。で一旦そうしたケガしかねないような話になると大ケガへ、即死亡事故へと繋がりかねないってのがこの林業の話でもある。なんでこの資格取ったかって言ったらそんな深い意味は別になかったけど、ただこれを取ってみて広がった知見というのは非常に役に立つものがあると思うわけなんですよね。

 単純なミスなんてのはけっこう誰もやってる。それをカバーすることもけっこうできたりする。でも林業業界はけっこうそれが効かない世界。だからそういうミスをいかにして減らしていくかを考えないといけない世界なんですよね。ここが興味深いわけですよ。

画像3

 で、昨日の補講講習のメインがこれです。
 ③チェーンソー作業者への保護ズボンもしくはチャップス(チュッパチャップスみたいな名前ですが違います笑)の義務付けが新たに始まりましたと。
 これ、誤ってさっきの左足をチェーンソーで……的な話になっても、保護ズボン内の繊維が飛び出してチェーンソーに絡みついて動きを強制的に止める仕組みになってます。一回ぽっきりの使い捨ての盾みたいな話ですが。でも左足を切るのよりはマシでしょという話なんですね。
 なぜこれの義務付けが始まったかって言ったら、それだけその手の事故が多いからなんですね。


 まあまとめますが、①チェーンソーによるケガ②木の切り方によるケガ③ケガ防止用の保護ズボン
の以上3つが今回の話です。
 意外としょーもない話ばっかに見えませんでしたか?足をチェーンソーで切るとか、木を切ったらかかってる木が降ってきて大ケガ(てか死亡)するとか、そうしたことが相次いでるから、じゃあ保護ズボン使おうとか。
 話が恐らくショボく見えるはずです。実際かなりショボいと思うんですよ。全部防げたやろ!というような話ばっかです。

 でも防げてないんです。大ケガ負ってるし、けっこうな死亡者が出てるわけなんですよね。

 チェーンソー関連の話は基本が重要だって話ばっかです。チェーンソーのメンテナンスも基本が大切、安全確認も基本が大切。基本的なことを基本的にやってればまずミスることはないです。
 しかし現実には、その基本を常に忠実に守る、というこのことがいかに難しいかって話になるんですね。

 集中したり、熱中したり、没頭したり慣れてま、いっかとなったり。
 まあ小さい木の一本くらい保護ズボンいらんだろとなったり。つまりは油断したり。またその時は良かったとしてもそれが習慣となって大ケガに繋がったり。そうしたことが事故に繋がってんだなというのが非常によく分かると思うんですよね。
 だから林業とかチェーンソーを越えたところで人間てこうなんだなあ、というのを観察し、分析し何かを得るには非常に興味深いしおもしろいものが詰まってると思ってます。


 てことで、興味持った方は講習に出てみたらけっこうおもしろいんじゃないでしょうか(笑)
 オススメしときますよ(笑)

 

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