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伝統と自由。

ハロー。前回ここのnoteに書いた「商店街」についてのブログが、noteの「注目記事」に選んでもらってびっくりしました。いろんな人が見てくれて嬉しかったです。これからも書きます。

昨日は落語家の立川晴の輔師匠と2人でやっているライブ「キンぱれ」でした。2年半ぶり。晴の輔とはたまに会っているし、僕も個人的にトークイベントなどをしているからそれほど彼やみんなと「久しぶり」みたいな感覚はなかったんだけど、みんなは2人を待っていてくれたんだね。
2人でライブをやるときは、いつもはホールを借りてもらうんだけど、コロナの状況によってどう変わるかわからないので、お世話になっている町田の「まほろ座」で4回公演2daysでした。チケットもすぐに完売して本当に感謝です。

「ここだけの話だよ!」

僕と晴の輔はやっていることも性格も真逆だと思います。
僕は普段着のままライブにきて、そのまま思いついたことやその時興味あることを話したり絵に描いたりして、ライブが終わったらそのまま帰る。彼はビシッとした着物に着替え、江戸時代から語り継がれた話を話す。僕は自分の時間でも喋るときはけっこう動き回る。彼はずっと座っている。これ以外にもたくさんあるけど、本当に真逆のキャラクターだと思います。

このライブは2008年に代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」で始まり、徐々にみんなに知ってもらうようになって、2010年からはtvkで「キンシオ 」という僕の旅番組がはじまり彼も途中のコーナーで小噺を担当し、僕らのことを知ってくれる人も増えて、ライブハウスを飛び出していろんなホールでライブをやるようになりました。

ライブの構成は前半が2人でその場所やその時に話したいフリートークをして、後半に僕と彼がそれぞれ1人で何かを披露して、最後にエンディングトークがあって終わるというスタイルです。

師匠が偉くなった時の話、内容は見た人だけのお楽しみだよ。

僕はスクリーンを使ってみんなに伝えたいことを絵に描いたり話したりします。自分一人のライブの時もそうだけど、商店街、坂、火の見櫓、喫茶店、土地の歴史など、その時々でいろんなことが気になり、調べていろいろおもしろいことに気がつき、みんなに伝えたくなるんだ。それも先生みたいな感じじゃなくて、一緒に「おもしろいと思わない?」って感じでね。今日まで専門でもなんでもないのに、銭湯、喫茶店、コーヒー、ロックの歴史、森田療法、英語、いろんなことをテーマにしてイラストを交えたトークライブをしてきました。

落語立川流真打、立川晴の輔。

晴の輔師匠はそのご時世や場所に因んだ落語を一席やります。話は江戸時代の話だけど話によっては現代風にアレンジし、人を話しに引き込むのがさすがです。

終演後。着物から普通のVネックの人に戻った晴の輔。

こんなふうにまったく違う二人だけど、それはたとえば今のコロナの時代にもそのことは言えます。彼は落語家なので人が集まる独演会や営業の仕事はキャンセルが続いて大打撃を受けた。僕もイベントはしてるけど基本的には絵描きだし、メディアの仕事もしていて、何かの仕事が減っても他の仕事もあるんで「大打撃」というよりは「打撃」くらいで済む。その反面、僕は思いつきであれやったりこれやったりしているからその道のプロフェッショナルにはなることはない。
晴の輔師匠は落語を一筋にぶれずにずっとやってきて、今や真打の落語家として活躍している。僕は彼みたいにひとつの道を突き進むというよりは旅みたいにそのときの仕事やプロジェクトで人生の行き先がどんどんかわるので、自分でその方がいいからその道を選んでいるんだけど、師匠のように落語界の道を進んでいる姿をみると、大変だろうけどすごいなと思って尊敬するし、どこか羨ましくもある。
ふたつの生き方はどっちがいいかという問題ではなく、どちらも一長一短、時代や人の性格によって判断も変わるんだと思います。でもそんな二人が一緒にライブをしているのは、晴の輔が僕をたててくれていることが大きいんだけど、互いに認め合っていて、それが楽しいからです。僕らも楽しいし、みんなも楽しんでくれる。それってシンプルに一番いいことだと思う。1+1が2じゃなくて10にも100にもなるライブってこのことなんだなって思います。

僕らが出会ったのは、昨年亡くなってしまった友人の楠本柊生が企画した「時代オペラ」という、役者、歌手、絵描き、落語家のユニットです。そこから僕と晴の輔(当時は志の吉)が2人で「文化部」と称した課外ユニットを組んで始めたのが今の「キンぱれ(当時のキンシノ)」のようなものです。元帥(楠本柊生)は亡くなってしまったけど、僕らの活動をいつも喜んでくれていた。僕は僕なりに彼の思いをついでいくつもりだ。化粧はしないけど。

パリオビルの懸垂幕。

「キンぱれ」は今回、2年半ぶりだったし、僕らはコンビではなく、それぞれ自分で活動をしているコラボユニットなので、次回がいつかはきまっていないけど、まほろ座の入っている町田駅前のパリオビルでは毎日「キンぱれ」状態になっていて、僕の書いた「まちだはまちだ」の文字と、彼の落語会のお知らせが並んでいる。パリオも洒落てるね。

それから、この「キンぱれ」ライブを1回目からずっと制作でがんばってくれていた当時「晴れたら空に豆まいて」で、今はパリオの長田さんが、音楽業界の仕事に転職するので、「キンぱれ」の制作としては今回でとりあえず一区切りでした。本当にいろいろありがとう。グッズを企画してくれたり、適当な僕に仕事をやりやすく面白くしてくれて本当に助かりました。その力は今後も発揮されると思うよ。応援しています。まあ、またいろいろ関われたらと思うのでこれからもよろしくね。

というわけで、昨日、一昨日の「キンぱれ」。来てくれたみんな、パリオやまほろ座スタッフのみなさま、そして晴の輔師匠。ありがとうございました。これからもよろしくおねがいします。ライブハウスで4公演ははじめてだったけど楽しかったな。ご当地じゃないテーマや、まったく違う2人が一緒にやるライブは「生き方」のテーマとしてもやれるんじゃないかと思いました。差し入れもありがとうございました。遠くから来てくれた人も何人かいて本当に感謝です。
そんじゃーねー。

追記
このブログから2年。師匠は「笑点」の新メンバーに選ばれました。ずっとひたむきにやってきたことが報われて友達としてうれしい。これから「キンぱれ」やることがあったら、次から「ぱれキン」にしよう。でも師匠も忙しくなるからそんな時間もないかな? 僕には「できるときにできることをできるだけする」という3つのDの「3D理論」というのがあるんですが、師匠とのライブはできるときにたくさんやれたんでありがたいんだ。そのときにライブに来てくれた人もそうだと思うよ。晃ちゃん、おめでとう! 元帥も喜んでるよ。

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