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雇用とかキャリアとか

雇用政策という大学院の授業は、本当に響きの魅惑だけで履修した。色々な人に起業を勧められるけど、専門職なので、生涯雇用される側でいようと思っているからなのか。とはいえ「雇用」って知っているようで知らない。

そんな「雇用」についての素人がお勉強した範囲で個人的に関心があったことに偏ってつらつらなのでご容赦ください。


「雇用」とは

民法623条「当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約する」関係 のこと。

職業を日常的に展開する際の就業形態の一種であり、報酬支払い(労働者から見た賃金請求権)と業務命令(指揮命令権)との交換関係が基本になる就業形態なんだそうな。

ちなみに、雇用契約って口約束でも良いらしく、魔女の宅急便のパン屋のおそのさんとキキは口約束の雇用契約を交わしているってことですな。それだけじゃ労働者が弱い立場だから労働契約法ができたんだとか。


「雇用」って割と新しい!?

今では日本の90%くらいの就業者が雇用されている人だけれど1955年頃は44%くらいだった。確かに朝ドラに出てくる人はだいたい自営業関係者が多い。。オールウェイズ三丁目の夕日も、男はつらいよも。

そもそも雇用って古代ローマ時代の奴隷制度くらいに遡るらしい。中世くらいになると親方のところに勤める職人の関係が主流。まぁ、ラピュタの親方とパズーの関係ですな。武士や騎士が領主とかに仕えるのは雇用とはまたちょっと違う。

近世になってくると、丁稚奉公とか番頭さんのようになんとなく雇用されているような感じになってくる。

産業革命以降はどこも資本家と労働者という感じで雇用が一般的になっていった。戦時中は国が介入してきたりしたけど。

戦後はいわゆる日本(メンバーシップ)型雇用(新卒一括採用、終身雇用、年功序列)が日本の情勢にマッチしていたので、高度経済成長を支えたわけですね。詳しくは清家篤「雇用再生ー持続可能な働き方を考えるー(NHKブックス)」がデータに基づいて参考になります。


平成不況

ところが、バブル崩壊以降は皆さんご存知の通り、不況、少子高齢化、震災、などなどあり、雇用のあり方も変化してきたということです。派遣、フリーランスから今ではワーキングシェア、テレワークまで。

日本の首相が「人生100年時代」というくらい、人の生き方も暮らしも働き方も変わってきているということ。ちなみに人生100年時代はリンダ・グラットン「ライフ・シフト(東洋経済新聞社)」が影響しているそうで、分厚い本買ってみましたが、案外スラスラ読める内容でした。


働き方改革

働き方改革ってそもそもなんで始まったと思いますか?実は少子化対策っていうのが大きいみたいですね。

日本の夫は家事育児に携わる時間がえらい少ない。夫が家事育児に携わらないことが、妻の第2子への意欲にマイナス影響を与えているんですね。じゃぁなんで夫は育児に関わらないのか?長時間労働で企業戦士として染まっている日本企業の社風のせいだと。。。そういう流れの面もあるようです。

もちろん、他にも生産性向上とかイノベーションを起こすとか、色々な目的もありますよ。


雇用政策

最新の日本の雇用政策はもっぱら「生産性向上」と「ウェル・ビーイング」なんですね。(福祉業界の専売特許と思ってたウェル・ビーイングを雇用政策が持ってきているとは驚き)『雇用政策研究会報告書』https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000532354.pdf

まぁ、背景は労働人口が減ってくること、つまり働いて納税する子供が少ない、だから生み育てられる環境を。。。合わせて、男は家庭に携わるというか、家庭を我がこととして主体的に向き合う、女性や高齢者も働けるように、そして外国人の方々にも。。。

日本型雇用のような形は古い!!これからは、ジョブ型だ!とか、えっ!?じゃぁ今まで会社で教育してくれてエスカレーターで頑張ってれば登れた安全圏は?となってしまうので、人事、組織、雇用、キャリア、人的資源管理、HRが注目されているという中で。。。

あなたの組織は?これからの日本の組織はどうあるべき?とかそういうことを主体的に考えていかなきゃいけないってことですね。

ちなみに同一労働同一賃金なども始まりますし、正社員でいることにメリットを感じなくなる人も増えてくる。逆に組織はこれまでの慣習ややり方では労働者から選ばれなくなってしまうということもありますね。

本来介護福祉職は専門職なので、日本型雇用でメンバーシップではなく、腕一本で渡り歩けるジョブ型、のはずなので。


キャリア権研究会「キャリア権研究会報告書」2011の図はわかりやすいですね。http://www.career-ken.org/houkoku.pdf

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