マガジンのカバー画像

総合内科流 一歩上を行くための内科病棟診療の極意(完結)

19
▼森川暢 市立奈良病院▼ 内科病棟を見回すと、高齢者ばかりというのが今の日本の現状だと思います。高齢者診療では、内科医として、ただガイドライン通りに治療するというだけでは、立ちい…
運営しているクリエイター

2020年6月の記事一覧

第10回 一歩進んだ輸液の考え方

総合内科流 一歩上を行くための内科病棟診療の極意(10) 森川暢 市立奈良病院 第10回 一歩進んだ輸液の考え方 ---------- 輸液は漫然と行うべきではありません。そもそも何のために輸液を行うのでしょうか? 輸液の目的は以下の2つに分類されます。 1)血管内volumeを速やかに補正し、血圧を維持し、末梢臓器血流を保つこと これは最もシンプルな目的だと思いますし、わかりやすいです。 救急外来や急変時の輸液は、原則として「細胞外液」のみで良いです。なお筆者は、