よしもとNFTシアターからの美容クリニック

よしもとNFTシアター

吉本興業の新しいコンテンツに参加させていただきました。
NFTの説明を受けたのですが、よく理解出来ておりません。
コント動画を販売して、それにはシリアルナンバーがついていて、買った人はこの動画をまた売ったり出来るコンテンツらしいです。
とにかくよく理解出来ていませんが、こんな新しい企画に我々のような底辺芸人がお呼ばれされたことが光栄です。
他の27組の芸人さん達は有名な方ばかり。
恵比寿のしっかりしたスタジオでたくさんの大人の人達に囲まれながら、コントの撮影をしてまいりました。
5本撮ったうちの2本が採用されたようです。
我々のコントなんて誰がお金を払って購入してくれるのか？と思って撮影しておりましたが、ちゃんと他のコンビとセットにして販売してくれてるのですね。
良かった。
3本セットで3000円。
高額な感じもしますが、NFTの価格設定などもわからないので、妥当なのでしょうか。
せっかくの機会なので自分でも購入してみようと思います。

撮影時にはちゃんとしたメイクさんもいらっしゃって、入念にメイクをしてもらいました。
私は加齢のためもあり、最近顔面のシミが目立つようになってきました。
労働者で日焼けする機会が多いくせに、若い頃から全くスキンケアをしてこなかったバチがあたったようです。
私のシミを隠すために、メイクさんは大変苦労をされていました。
撮影スタッフを大幅に待たせて、一個ずつシミを消してくれました。
早くしろという空気感が充満する隣のスタジオでは相方のしもやんがトークで何とか繋いでくれていました。
「九州のイカは鮮度が良くて透明だ」というどうでもいい話を何周もして繋いでいます。
私も「もうシミはいいから、早く行かせてください」と言いたいのですが、メイクさんは汗だくになりながらシミを丁寧に消してくれています。
焦ってセリフも全部飛んでしまいました。
待たせた上に撮り直しなどもさせてしまいました。申し訳ございません。

皆さまに大変ご迷惑をおかけしたので、この度美容クリニックでシミ取りを施術して来ました。
33カ所、18万円かかりました。
私にとっては大変な出費ですが、芸能人としてシミをそのまま放置しておくわけにはいきません。
局部麻酔をして、1箇所ずつレーザーで焼いていくと説明を受けます。
先生が「局部麻酔はとても痛いですが、耐えれますか？」と聞いてきますが、「耐えれません」とは言い出せず、「大丈夫です」と答えてしまいました。
とても痛いと言われても、どのくらいの痛みのことなのかわからない。
特別痛みに強いタイプの人間でもない気もするし、顔面に麻酔など打たれたこともないため、待合室にて不安なまま過ごしていました。
スマホを見るわけでもなく、待合室のカウンターのイスに座り目の前の壁を只々見つめて過ごしました。
1時間ほど待たされた後、先生がやってきました。
「木下さん、局部麻酔は本当に痛いです。大丈夫ですか？」
大丈夫ですか？と聞かれても、私も大丈夫です。以外答える術がなく、「大丈夫です。頑張ります」と答えてしまいました。
すると先生は「局部麻酔は耐えれません。今回は追加料金はいただかないのでガス麻酔にしましょう」と言ってきました。
ガス麻酔という別の選択肢もあったのか。
早く教えてくれれば痛くない方にしたのに。
この1時間、壁を見つめて待ち続けた私の不安な表情を、先生もずっと観察していたのかもしれません。
そして、この男は局部麻酔では耐えれないと判断されたのではないか。
追加料金でガス麻酔があるのなら、お金は支払うから早く教えて欲しかった。
別にケチって局部麻酔で大丈夫ですと言っていたわけではないということはご理解いただきたい。

診察台に寝かされ、初めてのガス麻酔。鼻からガスを吸って口から出す。指示通りに何度か繰り返していると、頭がクラクラしてきました。
これがガス麻酔か。
意識が遠のいていく。
俗に言う深い海の底にゆっくり沈んでいくような感覚を体験しました。
先生の声が遠くに聞こえてくる。
声のボリュームがだんだん小さくなっていく。
「ではレーザーあてていきますね」
という遠くの声を最後に聞いて、起きた時には施術は終わっているんだろうなと思ったのも束の間。

ジュ！
レーザーが肌にあたった瞬間、あまりの激痛に飛び起きました。
「痛いねー我慢してねー」と先生が近くではっきりと言っている。
大袈裟でもなんでなく、44年生きてきて一番の激痛。
「うわああああ！」と大声を出していました。
そして数秒でまたすぐ意識が遠のいていき、

ジュ！
「うわああああ！」と飛び起きる。
耐えられない。
痛すぎる。
そしてまた意識が遠のいていき、

これを33回繰り返しました。
レーザーがあたった瞬間に目を覚ますとは知らなかった。
それとも麻酔で痛みを少しは和らげてくれてるのだろうか。
局部麻酔だった場合は、どれほどの痛みだったんだろう。
まさに地獄のような1時間ほどの施術でした。

終わったら特に何の痛みもないので、レーザーで焼く瞬間だけ痛いのでしょう。
ガスを吸って意識が戻ったら終わっているものとばかり思っていたので、覚悟が足りていませんでした。

あれから10日ほど経ち、施術直後は赤く傷になっていた33箇所の傷もすっかり癒えました。
シミもなくなりましたが、また時間が経つと出てくるらしいので、これからはしっかりとスキンケアを怠らないようにしたいと思います。
もうあんな激痛は二度と受けれない。
痛みを知ってしまったが故に、怖くてもう無理です。