朝帰り


 昨夜、仕事で疲れ果て無心でご飯をたべ、お風呂に入り、それでも眠さにもう勝てないとベッドに入り気づいたら寝落ちていた。

急に4時頃目が覚め、カーテンの隙間から陽の光が漏れていることに気づく。そのことに気になりだすと必死に目を瞑るが全く寝付けない。

頭の中ではちょっときになる人間のこと、洋服について、イヤホンの行方、といろんなことがぐるぐると巡っていた。やがてイヤホンの行方が気になりだし、いてもたってもいられなくなった。

はじめリビングのソファを探すが、どこにも見当たらない。最後に使ったのはいつだ?と数日前を思い出すが、候補が2つあった。

まさかまた道に落とした?

前に、おそらく散歩している最中 上着を脱いだ際に諭吉イヤホンを落としたことがある。それから、全くトラウマになってしまったのだ。

一度深呼吸をし、気を取り直して回想してみると

先週の金曜日につけようとしたが同僚と帰り道が一緒になりサッとポケットにしまったことを思い出した。上着のポケットを右、左と手を入れてみると

左のポケットに無事愛するイヤホンがいた。

わたしは安心し、寝ようかとも思ったが目は開いてしまっているので洗い物をすることにした。

昨日から真夏日で部屋の空気が淀んでいたので

キッチンの窓を開けた。

すると朝になって数時間経った、あの朝帰りを思い出す空気と空、風景が目に入ってきた。あぁ、もうしばらく朝帰りもしていないなとちょっと寂しくもなった。

あの朝帰りの意識半分、頭はいまにも眠りたいのに帰路にまだつかなくて身体は眠れない感覚がちょっと恋しくなった。鳥が鳴いていたり、一体何時間寝てるのだろうと想像もつかないサラリーマンが足早に駅へ向かっていたり、、、その中時間を気にせず歩ける優雅さを感じたくなった。

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