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「心白」を観に行く

初めて行く劇場「せんがわ劇場」(調布市)へほろびての舞台を観に行った。
安藤忠雄設計の建物が立ち並ぶこの通り、安藤ストリートと呼ばれているとのこと。
「心白」(こはく)。
突然奪われたり失われることと現実が隣り合わせであること、ほろびての舞台で今まででいちばん舞台と観客席、さらには世界中が地続きであることを思い、「私たちの」物語だと感じられる。
それでも希望はある。

劇中、終盤にホール内に携帯電話の呼び出し音(「世界に一つだけの花」)が鳴り響いた。なかなか鳴り止まず、これは演出なのかと思われたとき、苛立って注意する男性の声が聞こえてきて演出ではないことに気がつく。
それでも演者の方々はさすがで、顔色ひとつ目線ひとつ動じることがなかったようだった。
おそらく一瞬演出かと思ったことにより、いまも「世界に一つだけの花」が脳内再生されるのだけど、それもまた毎回全く同じものはない舞台芸術の醍醐味かなあと味わっている。

細川洋平さんの「ほろびて」次回公演もすでに決定している。劇作家であり演出家として大活躍中の細川さん、いま公開中の映画『シン・ウルトラマン』には俳優として出演されている。また舞台や映像で演者としても拝見したいです。


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