「元記者」の市場価値

また1人、お辞めになった方を見た。
娯楽紙・非記者スタート叩き上げってのは似た所もあり、御成功を祈念しています。

友人知人でも、いろいろ居たわなぁ。
野球人脈を掲げていた知人は失速、曲折の末にようやくネット媒体で名を上げた。
会社が新媒体を作っては潰しで、脱藩された先輩は、御苦労の末に媒体を構えてられる。

今は、年齢が売れる入社直後か、地方から社会部に上がったタイミングで退職すると「元○○新聞記者」「元社会部」の肩書きをフルに使える、という食わせ者もいるらしいw

ネット媒体やフリージャーナリスト、政治界隈の幇間だと、前所属社名のみが商品価値になる。

リベラル紙は、左派にも右派にも売れる。
むかしの週刊誌の「あの○○銀行員が脱いだ」式で、告発っぽく古巣の悪口言えば、右の需要もある。

そこいくと保守系紙は、売れない。
左派は高齢化・世襲化しているのでブランド志向が激しい。下手したら毎日さえ記者とは認めないwww。告発風の古巣叩きも需要はない。
読売なんか会社は強い割に、退職者の商品性は弱くて御苦労されるように思う。

整理や校閲といった非取材部門は、技能はあってもネット的な話題性を欠く。
整理記者は、長短は別として取材記者経験もある人が多い。長らく整理だったのを隠せば「元記者」で売れなくもないが、近年は元記者が溢れているので相対的に、値がつかない。
本来なら、ネット媒体運営と互換性が高い技能なんだが、そこはIT系や広告系が占めている。

校閲記者は、取材経験ない一方で特殊技能として認められているので、ちょっとした訓練で書籍校閲へ転用もきく。ただし新聞と同じく出版も、まず品質コストを下げたがっている。

非取材部門は、取材記者の自己陶酔や自己顕示に反発していた人も多い。
「経歴詐称」「コンプレックス」と叩かれるのを覚悟、恥も外聞もなく「元記者」と名乗れば市場に出られるかもしれない。
あえてソレをせず「編集能力を買ってくれ」と売り出せば、数で勝る「自称元記者の広告出身者」に潰される。あとは「介護のお仕事なんか如何でしょう?」と言われるばかり。

いろんな元記者さんがいる。
「我こそは正義の味方」と古巣の悪口を言ってネット売名に成功すると、文化人として古巣にも迎えられる。
古巣の名を使わず、安直な売名も拒んでいると、「無名」「過去の肩書きにすがっている」と四方八方から足蹴にされる。
こういう理不尽な世界だがw、人の自己顕示欲や承認欲求に関わる仕事の宿命だろう、仕方ないw

川の底の石のように。頭上を流れていく様々な書き手たち、首をすくめて上目遣いに眺めているのが俺には合ってる。会社に居た時と同様にw



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